六芒星の花 | ヒハ ノボル

ヒハ ノボル

発達凹凸ありの小学生男子の母です。
生まれは関西、ほぼ東北育ちで、今は関東在住。
漫画好き。最近の趣味は、フラワーエッセンス。

今年も、アパートの裏の空き地に、この花が咲き始めました。

 

 


学名・オーニソガラム。和名・オオアマナ。
英名は、Star of Bethlehem (ベツレヘムの星)。
原産地はヨーロッパ・南西アジア(アフリカも含まれるというところも)
ユリ科の植物で、日本には観賞用として明治末期に入ってきたようです。


「ベツレヘムの星」というのは、キリストが生まれたときに輝いたといわれる星のこと。

この星を目印に、東方から三人の博士が生まれたばかりのイエス・キリストの元を訪れ、お祝いに没薬・乳香・黄金の宝物を捧げたのだとか…。
小学生の頃通っていた日曜学校では、クリスマス礼拝のときに、このお話の劇を披露したおぼえがあります。


話がそれましたが、この白い花は、その「ベツレヘムの星」にちなんで名前をつけられたということなんですね。
六芒星を思わせる6枚の白い花弁…と思ってたら、外側の3枚はがくで、内側の3枚が花弁みたいです。

 


どっちにしても、△と▽で六芒星ですね(^o^)
良く見ると、内側にも白い小さな花弁が付いてるように見えます。

先端に黄色いのが付いてるので、雄しべなんでしょう。これも6本(上の写真では5本に見えますが6本あります)で、やっぱり六芒星。全部合わせて十二芒星??


今回調べていて初めて知ったのですが、この花、レオナルド・ダ・ヴィンチの素描が残っていて、有名な『岩窟の聖母』の中のイエスと言われている幼児の足元にも、スターオブベツレヘムらしき植物が描かれています。
ヨーロッパでも、かなり昔からキリスト教にご縁のある花として、広く知られていたということなんでしょう。

でも、キリストが生まれたときの伝説と同じような神話とか伝説が、他の地域にもあるそうです。

その中でも特に気になったのは、古代エジプトとの関連。

古代エジプトにおいて「三人の賢者」とは、オリオン座の三つ星のことを指していたそうです。

冬至の頃、夜明けの空にオリオンの三ツ星が現れ、しばらくすると、一直線に並んだ三ツ星の延長上の地平線に、シリウスが現れる。さらにその延長線から太陽が昇ってくる…。

エジプト神話では、このオリオンの三ツ星が救世主の誕生を祝う「三人の賢者」、救世主とはホルス神のことで、シリウスはホルスの誕生を知らせる星。

つまり、キリスト教における「ベツレヘムの星」は、エジプトではシリウスのことだったんです。

さらにシリウスは、エジプトではイシスの象徴でもあると言われていて、興味深いです。

エジプト神話では、女神イシスはオシリス神との間に息子ホルスを授かったというのが主流のようですが、キリストの母マリアと同じく処女懐胎と伝わる話もあるそうです。

この他にもキリストとホルスには、生まれたときの「三人の賢者」の説話の他にも、12人の使徒がいたことや、死後3日経って復活した等、驚くほど共通点があるようです。

日本神話とギリシャ神話の共通点を知ったときも面白いな~と思いましたが、キリスト教とエジプト神話の間にも、ここまで似通った話があるなんて、驚きでした…。

 

 

それはさておき。
私がこの花の存在に気づいたのは、この家に引っ越してきて2回目の春だったと思います。
体調不良に陥って半年ほど経った、どん底の時期でした。
引きこもり状態でしたが、ある日、裏のベランダの真下(アパートの1階に住んでます)に、たくさんの白い花が咲いているのに気づきました。
生まれて初めて見る花でした。
前の年には全然気づかなかったのに…と、今でも不思議に思っているのですが、とにかく人生に絶望していた当時の私は、この花にものすごく慰められました。
外に出るのがとにかく怖くて、常に人の気配に怯える生活だったのですが、この花を家の中に飾りたくて、ビクビクしながらも頑張ってハサミを持って摘みに行ったときのこと、よくおぼえています。
この花、光にすごく敏感で、午後に日が傾き始めると途端に花が閉じてしまいます。でも、朝顔やなんかと違って一度閉じてお終いではなく、翌朝また明るい陽射しを浴びると開花して、多分1週間以上もつんじゃないかと思います。花瓶に挿した花でも、相当長く咲いたり閉じたりを繰り返していたので…。
家の中に持ってきてわかったのですが、自然光でなくとも、ちゃんと咲くんです。
蛍光灯の光が当たるところに置いておくと、いつまでも花が開きっぱなし。電気を消した部屋に移動すると、真っ暗じゃなくてもだんだん閉じていきます。綺麗なだけじゃなく、そういう特徴も面白くて、楽しみがほとんど無かった当時の私にとっては、本当に嬉しい発見でした…。
それで、花の名前を知りたくてネットで検索しました。
「花」「白」「春」「6枚」とか、手がかりになりそうなワードを打ち込んでいって、見つけることができました。
オオアマナ。スターオブベツレヘム。
子供の頃、週末に教会学校に通っていたり、ミッション系の学校に進んだりしてキリスト教にはご縁があったので、何となく親近感がありましたが、とりあえず名前がわかって良かった…という感じでした。
あとは、花言葉に「純粋」「潔白」「無垢」、それから「動揺」とあって、ちょっと動揺しました。ええ、当時は四六時中動揺しまくってましたから(^_^;)

 

ともあれ、そこから毎年花が咲くのを楽しみにしていましたが、名前のことはすっかり忘れかけていました。
ただ、「今年も咲いたな~キレイだな~」と思って眺めてただけだったのが、あるとき再び気になって調べようと思いました。
それは、いわゆる「過去生」のことを知ったとき。
とあるきっかっけで、「過去生でキリスト教にご縁があった」ことを知りました。
それを知ったときは、なんていうかもう、ミーハー根性が膨れ上がり、「わああああ!ネットの中だけの話で“自分には関係ないや”と思ってた前世の話が今目の前にィィィ!!すごーい!うれしー!!」という心境でした。恥ずかしながら…。
そして、「男性?女性?家族は?どんな仕事してどんな人生送ったんだろ。それに、もっと他の時代にも色々あるのでは…」と、あれもこれも知りたい聞きたいことが次から次へと溢れてきて、興味津々でした。
でも、知りたい・聞きたいと思ったこと、何一つ口に出しませんでした。
どうしても、聞くことができなかったんです。
なぜだか、聞いてはいけないと思いました。
強烈にミーハーな好奇心があったのに、それよりもさらに強い罪悪感のような思いがあって、どうしても伝えられた以上のことを尋ねることができませんでした。


この花を見て改めてそのことを思い出し、なぜあのとき過去生のことをもっと掘り下げて聞けなかったのかと考えてみると、今ならなんとなくその理由がわかるような気がしました。
それは、あの時点でもたらされた以上の情報は、今の自分を生きる上で必要ないものだったから…ということです。むしろ、枷になるのかもしれない…とさえ思います。
過去生の性別さえ知らされなかったのは、それが必要なかったから。

私にとって必要な最小限の情報だけが、もたらされたのだろうと思っています。
スピリチュアル系のお話で、過去生を思い出すことでカルマの浄化に至ったり、潜在能力が引き出されたり、使命に目覚めたり…というお話を聞きますが、必要なタイミングで必要な情報がもたらされた場合は、そんなふうにうまくいく場合もあるのでしょうが、知りすぎるというのは、怖いことなんじゃないか…と思います。何となく。感覚的に。
あとは、知る方法にもよるのかなあ…。
例えば、きっかけをもらうなりして自分で思い出すのと、自分以外の人から「あなたはこんな過去生があってこんなカルマを抱えていて、こんな使命をもって生まれてきました」みたいに、まるっと教えてもらうのとでは、その後の展開が違ってくるような気がするし…。
とにかく、タイミング、なのだろうなと思います。
私があのとき「キリスト教に係わる過去生」について知ることができたのは、ものすごくありがたいことでした。
孤独で心細かったときに、「一人ではない」という喜びと感動をもらいました。
そもそも、それを知るきっかけとなったのが、若い頃頻繁にあった肺の痛みがあの時期急に復活したことだったのですが、その痛みはあのとき10年ぶりくらいにぶり返し、過去生のことを知った後、またパッタリ治まったままです。
まさに、タイミング、だったのだと思います。
でも、それ以上のことを知るには、今のところ自分はそのタイミングではない。
いや、知りたいんだけど。
占いに行く女子学生みたいな好奇心で、知りたくて知りたくてしょうがない。
でも、なんか怖いし、特に誰かに教えてもらうことに罪悪感がある。
今後のことは、わかりませんけどねえ。
あるとき罪悪感がなくなって、誰かに頼る日がきたりして(笑)
でなきゃ、何かのきっかけで、思い出す日がくるかもしれないし、こないかもしれない。
まあ、なるようになる…と思っています。
ていうか、思い出す・思い出さない、知るべき・知らずに終わるべき…などは、そもそも自分で決めてきてるんでしょうけど…。思い出せないだけで。

 


最後になりましたが、スターオブベツレヘムについて、もうひとつ…。
フラワーエッセンスにも、この花が使われていました。


フラワーエッセンスは、花のエッセンス(エネルギーの特性)のみを水に転写し自然の力で活性化されたもので花の波動水ともいわれます。これはエッセンシャルオイルやハーブ製品と違い、植物の抽出成分などの物質的なものは含まれていません。花のエネルギーがもつそれぞれの性質が、私たち人間の感情や精神のパターンと呼応し、ショックやトラウマから生じた心のバランスの乱れを調整して、癒してくれるというものです
(フラワーエッセンス普及協会サイトより)


最もオーソドックスなものは、イギリスのバッチ博士によって作られたものだと思いますが、「バッチフラワーレメディ」というと、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

全部で38種類あるのですが、その中にスターオブベツレヘムがあります。

緊急時に幅広く使える「レスキューレメディ」の中にもスターオブベツレヘムが入っているということなので、私もそのうち試してみたいと思っているのですが、今は別に気に入ったものがあって、その1種類だけ、時々飲んでいます。


話がそれましたが、スターオブベツレヘムのフラワーエッセンスの効能。
これを見て、ハッとさせられました。
体調不良でどん底の日々。残りの人生消化試合と思って生きていた私にとって、まさにピタリとはまる内容だったんです…。


深刻な知らせによるショック、愛する人を失った時、事故後の恐怖などに。
しばらくの間、慰められることさえ拒む人に、このレメディーは安らぎをもたら します。

心の大きな傷、トラウマによって混乱の渦に巻き込まれた人に、バランスと落ち着きをもたらします。  
幾何学的形状をした花が、ショックで打ちのめされた人生の構造を組み立て直すよう促します。

ジュリアン・バーナード著
『バッチのフラワーレメディー 植物のかたちとはたらき』より


裏の空き地に咲いてくれた白い花は、まさに「慰められることさえ拒む」当時の私に安らぎをもたらし、「ショックで打ちのめされた人生の構造を組み立て直す」よう促してくれてたじゃないか…。そんなふうに思えたんです。


いずれにしても、今年も咲いてくれたことに、ただただ、感謝です。