日本では謙遜が良いとされます。出るくいは打たれる、それが日本の考え方。
でもこちらではそんな考え方では生きていけません。
カナダに来たばかりの頃、移民向けの英会話クラスで聞いた話です。
ある移民がマクドナルドでカナダではじめての職につきました。移民のため、英語はまだまだ勉強中のレベルです。それに漬け込んだ客が、注文をした商品を手にし、少し食べた後、「これは俺の注文したものでない」と突っ返したそうです。
移民は謝罪し、新しい商品を客に渡しました。すると、その客はまたしても少し食べた後に、「これも注文したものと違う」と突っ返したそうです。
移民はこれに対して反論し、「私は注文されたものをきちんとお渡ししました」ときっぱり言い放ちました。
そこで、客はこれ以上この移民に漬け込むことは出来ないと諦めて帰ったとのことです。
こちらでは謙遜は弱さと見られます。自分を売り込んで何ぼの世界です。
で、本題に入りますが、こちらの求職においては、自分の能力を何倍も何十倍も盛って言います。例えばエクセルで数値を打だ打ちする程度のレベルしかないのに、エクセルは中級です、というのがこちらでは普通です。
先日、在宅の仕事でウェブサイトのhtmlコードのチェックをする仕事の紹介を頂きました。コードはずっと前からとても興味がありました。エクセルの関数を使って簡単なフォーマットをデザインする仕事が大大大好きな私にとって、コードでウェブサイトをデザインする仕事は絶対私は好きに違いないと信じています。だから、何度か独学をした経験があります。
でも、当然ながら、仕事に通用するレベルでは全くもってありません。自分でウェブサイトのコードを書いた経験もありません。
でも、私ははったりをかましたのです。「出来ます。やらせてください」と。
お仕事を頂いた会社は、これまでも別の在宅でお世話になっていた会社です。
これで失敗すると今までやってきた別の仕事にも支障が出るかもしれない。でも、それでも私は挑戦してみたかったのです。
先日、トレーニングがありました。会社の方は、私のはったりを見破いたのか、丁寧に一から教えてくださいました。責めることもなく。
新しい道が開けたことにワクワクして身体が震えます。
はったりは時に自分の背中を押し、もうひとつ上のステップに自分を押し上げてくれます。