夢日記|街で暴れる竜 | 灯台の街へ行くなら、何か光る物を忘れずに。

淡い光のシルエットを暗闇に描く

無数の立方体が規則的に動いている。


円周に配置されたものは歯車のように周り、

直線に配置されたものは通路のように走り、

螺旋に配置されたものは階段のように昇り、


そして私は

細長い立方体で囲まれた檻の中に幽閉されていた。

私の身体の至る所に立方体が貫通している。

不自由だった。


できる事と言えば、

この世界にやってきてから

取ってつけたような記憶の模倣物を思い出す事だけ。


抱いたことも無い白人の女性がベッドの横で微笑んでいたり、

行ったことも無い煉瓦造りの大聖堂の回廊を歩いていたり。


どれも日本では作れそうに無い記憶ばかりだった。




…目を瞑って思い出に耽っていると、

突然大きな声で私の名前が呼ばれた。

驚いて目を覚ますと、

巨大な竜が私に向かって突進してきた。


寸でのところで横っ飛びに突進を交わす。


横転して転がった床は、光の立方体ではなかった。

晴れ渡る空の下、煉瓦造りの建築物が視界を覆う場所…。

旅行雑誌で見たイタリアのフィレンツェみたいな感じだ。


ただ、建築物は非常に計画性が無く建造されているようで、

建物を結ぶ通路は複雑に入り組み、高低差が異常に険しい。

突進してきた竜も、あのまま止まらずに突っ込んでいったら、

ここの屋上から数十メートル下まで落下していただろう。


止まったというより折り返してきた。


再び、私を目掛けて突っ込んでくる竜。

狭い足場で肉薄されるプレッシャーに、

私は迷わず建物から飛び降りた。


眼下に広がる煉瓦造りの建築物の数々。

それらは切立つ崖を覆うように作られてきたのか、

街全体がひとつの崖を形成していた。


霧で、底が見えない。


私は空気をもう一蹴りして空高く急上昇した。

この世界でも飛べる。


とりあえずは竜の視線が怖かったので、

距離をとることにした。

直感的に、あの口から破壊的な何かを吐き出しそうで。


上昇すると街全体が良く見える。

竜は至る所で暴れていて、

咆哮と爆音を響かせながら街を破壊していた。




…そこで目を覚ました。

私をあの街で起こしてくれた人の声が

どこから来たのか気になったけれど、

夢の記憶は急激に薄れてゆく。

もう、それが女性だったか男性だったかすら覚えていない。


夢の中にまで竜が出てくるなんて…

モンハンのやりすぎだな。




…ところで、私、明日から大阪へ旅行。

狩り友達と一緒に食べ歩きしてくる。


あれだ、大阪って

蛸焼きと称して蛸フライだしてくるんだろ?

楽しみだなぁ。