灯台の街へ行くなら、何か光る物を忘れずに。

私は荒唐無稽な夢を見る。


子供の頃からそうだったから、それが普通だと思っていた。


ある日、そうした夢を克明に覚えていられる事は珍しい事だと知人に言われる。




誰もが見ゆる物では無いのなら、遺す価値はあるのだろうか。

私は夢を書き留める事にした。


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口の中から4つのパンを吐き出しているフィギュアが、
パンの数を3つに変えた。
このフィギュアは未来を示す物で、
私はフィギュアが3つ以上のパンを吐き出しているイメージを維持しなくてはならない。
それが出来なければ、目の前の少年と母親が助からない。


少年とフリスビーで遊んでいると母親が手本を見せてくれた。
片手で持ったフリスビーをもう片方の手で弾く投げ方で
フリスビーを真上にふわりと飛ばす。

フリスビーは沢山あったのだが、どれも壊れ始めた。
割れた陶器の皿みたいに粉々になったフリスビー。
私はそれらを日毎にゴミ箱へ入れて写真を取り、
少年がフリスビーの腕前を上達させる記録のひとつにしたらどうだと提案した。
この時点でパンは4つだった。


家の前の道路を走る車がやけに騒々しい。
下り坂の急カーブなのにスピードも落とさずに下っていく。

少年と母親の家に泊めて貰う事になった。
家に上がる直前に携帯電話が鳴り、取ると明日には帰社する様にと上司が言ってきた。
少年のフリスビー練習を手伝わなくてはならないのだが
もし私がこのまま帰ると決めてしまうとパンはひとつになってしまう。
私は明日、パンを3個頬張り、吐き出すことで未来を変える事にした。


その結果、目覚めた時には
私はとあるホテルの清掃員だった。
眼鏡を掛けた黒シャツの青年が部屋に入っていくのを見ていると
後ろで「そのままでは行けない」と首を振る男が私を叱った。
私は慌てて青年の部屋に入り、室内設備の案内をしようとした。
だが私が部屋に入ると青年は「前に一度来ているから気にしなくていいよ」と言って私を制止した。


此処での仕事は済んだので、次は改装されたガソリンスタンドのレイアウトを考えないといけない。
屋内に緑が欲しいと言う人がいたので
大量に積まれた発泡スチロール箱を茶色のスプレーで固め、
その上から造花を大量に飾りつける事を提案した。
空気清浄機を何処かに隠せば完璧だったのだが、設置されたのはアロマ一台だった。


作業着を着た男が、その様子を見て満足気に赤い煉瓦の天井を手で歩いている。