2012年4月1日


 日経新聞 2012年3月30日版によると、台湾に本社を持つ世界最大のEMS(Electronics Manufacturing Service)起業である鴻海(ホンハイ)精密工業がシャープの株式の約10%を取得し、資本業務提携されると発表された。


この鴻海精密工業の創業者は現会長の郭台銘(テリー・ゴウ)氏である。


「日本の電機メーカーは我々と組めば韓国サムスン電子に勝てる。」が郭氏の持論である。


郭氏は、中国山西省出身の父を持つ「外省人」である。戦後、国民党政権とともに台湾に渡り、民主化前は支配層を形成した住民の子孫である。


幼年時代は戦前から台湾に住む「本省人」の子供5,6人にいじめられても、草履を片手に一人で立ち向かっていくような子だったという。


今も負けず嫌いの性格が、鴻海の成長を支えている。


郭氏は、1974年に台湾で10名の社員とともにホン・ハイ社を創業する。


当時は白黒テレビ用のプラスチック部品が主な製品であった。


1981年にコンピュータ用コネクターの製造を開始し、インテル社などのPC用マザーボードにメモリーなどのコネクターが採用されて急拡大する。


1983年、中国に進出し、最初の製造ラインを設置すると、そこから中国に積極的に投資し、1990年代後半にPC本体の製造委託でさらに急成長を遂げた。


その後は、ベトナム、インド、フィンランドのノキア社との提携など、積極的な海外投資によって、世界最大と称されるEMS企業を作り上げ、今日に至る。



この郭氏が好んで使う言葉がこれである。


「失敗する者は理由を探すが、成功者は方法を見つけ出す。」


言葉に示すように、日本企業との提携は、最初は日立製作所であったが、鴻海の業績が悪化したこともあり、交渉は破談に追い込まれた。しかし、ここで諦めずにシャープとの提携にこぎつけたのは郭氏の持ち味である。


あきらめずに、成功するまでその方法を探す姿勢は、見習うべきものである。