2012年3月23日
日経新聞(3月23日版)の一面に厚労省が行った厚生年金基金調査の結果が発表されていた。
やはりというか、全578基金のうち、約半数強の314基金で2011年3月期の年間給付額が掛け金(保険料)を上回っていた。
過去10年間の運用実績は平均年1.2%に対して、502基金の想定利回りは5.5%と現実離れした設定値であった。
さらに、212基金は企業年金の積み立てはゼロで、国から預かって運用している公的年金(代行部分)まで積立不足であった。
労使の掛け金で給付を賄えず、積立金を取り崩していたのは314基金で、その大半は同業の中小企業が集まった総合型基金で、母体企業は製造業、建設業、卸小売業、運輸業などの業界が多かった。
いかに積み立てを取り崩している基金が多いことであろう。
約9割もの基金が5.5%と実績より高い想定利回りを放置しているのは、想定を現実的に下げると、運用で稼げない部分を掛け金の追加負担で穴埋めしなければならない。
ある基金では、「業績低迷で、労使とも掛け金を増やせる状態にない。」とのこと。しかし、放置しても問題の解決にはならない。
4割近い212基金の積立金は企業年金分は全くないうえ、公的年金分も不足している。
OBの年金の減額は3分の2以上の同意など手続きが難しいため、寄り合い所帯の総合型基金で実施したところは少なく、代行する公的年金は減額できないとのこと。
これは、もともと薄い企業年金を減額しても代行部分の積立不足の窮状が変わらないことも、基金が減額に消極的な一因とのこと。
1966年に発足した厚生年金基金制度は毎年5.5%の運用利回りが得られる高度経済成長を前提としていた。
バブル崩壊後は想定の利回りを確保できず、大手企業は代行していた公的年金部分の損失の穴埋めをして国に返し、身軽になった。
しかし、損失分の返却は国から一括支払いが求められたため、手元資金のない中小企業の運営する総合型基金は、代行部分の損失の穴埋めができず、解散することもできないでいる。
バブル崩壊から20年。
バブル後、放置され続けたこのツケを、利子を付けて支払わねばならない段階にきている。
~日経新聞 3月23日版 578厚年基金調査、全容判明より一部引用~