「数」とは、共通の概念である。
そして、「数字」はその概念を表現するために必要な記号や文字であり、
その中でもいわゆるアラビア数字、0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 は
もっとも知られた世界共通の記号と言える。
例えば、
日本では一・二・三・・・や、壱・弐・参・・・
韓国では、일 이 삼・・・
英語では、one two three・・・・など、国によって固有の文字や音を有しているが、
その概念は変わることはない。
いわば、「数字」は世界共通の言語とも言えるのである。
ここで日本での数の数え方を、改めて見てみよう。
通常に使われる「いち・に・さん・・・」という数え方の他にも、
日本には古くから伝わる別の数え方がある。
ひ ふ み よ い(つ) む(う) な(な) や(つ) こ(このつ) と(お)
いわゆる「和語(古来からの日本語)」での数え方である。
半世紀も生きてきた世代ならば、小さい頃にお風呂場で「あと、十(とお)数えたら出てもいいよ」などと
親に言われた記憶があるかもしれない。
若い世代には馴染みがなくなったかもしれないが、今も使われているし意味も通じる。
古神道に伝わる奥儀祝詞に出典を認められることからも、その歴史は古い。
おそらく、使われていたのはもっと前からだろう。
表音文字である日本語48音の中に、それぞれの数字に対応する一音があることはもちろん、
その48音が一音も重複することなく収められているカタカムナウタヒ5首・6首の
「始まりの10音」になっていることは、驚きであるとともに、非常に興味深い事象だ。
「数」と「言葉」が重なっているのである。
つづく。