「それでどうするんだ?」
「そうねえ。あの二人はまだニングの事は知らない事ははっきりわかったから、うまく説得すればニングニ親子の対面をさせる事が出来るかもしれない。それがニングの心を解きほぐす事になるわ。」
「そんなにうまく行くかな・・・」
「行くわよ。やらなきゃいけないのよ。エルンゼの未来が・・・」
「わかってるよ。エルンゼの未来だろ。」
「そうよ。そのために私たちが来たんでしょ。」
「ああ。」
夕方ユークとタイートは再度姉妹に会う事になった。
まず柚衣が口火を切った。
「どうだった?」
「話しはしたわ。どうも複雑な事情があるようだわ。」
「複雑って?」
「あなたたちのお母さんの事なんだけど。」
「ええ。それで?」
二人の姉妹はある程度は覚悟をしているようだ。
「実はニングはあなたたちのお姉さんなの。」
「えっ!」
「驚くのも無理はないと思うの。私たちだってさっき話しを聞いてびっくりしてるの。ねえ~。」
急にユークにつつかれてタイートはびっくりしたが、ユークに話しを合わせる事にした。
「ああ。驚いたよ。」
「そうだったの・・・それでお母さんの様子がおかしかったのね。」
莉絵が少し落ち着いてきたらしく、考え込むように言った。
「それでどうしたいのかしら?」
柚衣が姉らしく冷静に言った。
「それはやっぱり親子として会いたいって事よ。」
「そうでしょうね。でもお母さんはどうかしら?」
「たぶんあなたたちのお母さんはあなたたちに気をつかっているんじゃないかしら。だからさっきはニングにしらをきったのよ。」
「そんな・・・」
その時莉絵がぽそっとつぶやいた。
「お姉さんなのね。」
「ええ。そうなるわね。」
「わかったわ。私からお母さんに話してみる。きっとお母さんもちゃんと会いたいと思っていると思うの。お母さんはとっても優しい人よ。私たちに気がねしなくていいとわかったらきっとお姉さん・・・にも会うと思うわ。」
「お願いできるかしら。私たちもニングがかわいそうで・・・」
ユークは下を向いて泣いているような仕草をした。
やがて姉妹は帰って行った。
「うまくいったわね。」
そう言うとユークはふふっと笑った。
「君、泣いてたんじゃないのか?」
「泣くわけないじゃない。でもあの場面には、とっても効果的だったでしょ。この任務には、あれぐらいの芝居は必要よ。」
「わかったよ。さすがだね。」
「あら誉められてるのかしら?私賛辞は素直に受ける性格なの。だからあなたの率直な感想を賛辞として、受けておくわ。」
ユークは悠然と微笑みながらタイートに言った。
「この調子で行けばなんとか任務は達成できそうだな。」
タイートがホッとして言った。
するとユークが少し考えながらつぶやいた。
「そうかしら・・・こんなにうまくいくのはおかしいわ。うまく行きすぎているのよ。きっと何かが起きるわ。」
「そうかなあ。ちょっと考えすぎじゃないのか?うまく行くのが悪いみたいじゃないか。」
「あなたってほんとに単純・・・というか楽天的、ほんとに気楽な性格ね。」
「失礼だぞ。ポジティブな性格と言ってほしいね。」
「まあ、それでもいいけど・・・」
ユークが再び考え込んでしまった。
そしてそのユークにもすぐ後ろのテーブルにいる一組のカップルが、じっと耳をそばだてている事には気づかなかった。
二人ともユークやタイートと同じぐらいの年齢に見える。
目が少しつりあがり唇のうすい細長い顔をしている少年と、丸顔に大きな目と少し突き出た唇が可愛い女の子の二人だった。
そしてユークとタイートを見つめる少女の愛嬌ある唇の端が少し上がっていた。
つづく
「そうねえ。あの二人はまだニングの事は知らない事ははっきりわかったから、うまく説得すればニングニ親子の対面をさせる事が出来るかもしれない。それがニングの心を解きほぐす事になるわ。」
「そんなにうまく行くかな・・・」
「行くわよ。やらなきゃいけないのよ。エルンゼの未来が・・・」
「わかってるよ。エルンゼの未来だろ。」
「そうよ。そのために私たちが来たんでしょ。」
「ああ。」
夕方ユークとタイートは再度姉妹に会う事になった。
まず柚衣が口火を切った。
「どうだった?」
「話しはしたわ。どうも複雑な事情があるようだわ。」
「複雑って?」
「あなたたちのお母さんの事なんだけど。」
「ええ。それで?」
二人の姉妹はある程度は覚悟をしているようだ。
「実はニングはあなたたちのお姉さんなの。」
「えっ!」
「驚くのも無理はないと思うの。私たちだってさっき話しを聞いてびっくりしてるの。ねえ~。」
急にユークにつつかれてタイートはびっくりしたが、ユークに話しを合わせる事にした。
「ああ。驚いたよ。」
「そうだったの・・・それでお母さんの様子がおかしかったのね。」
莉絵が少し落ち着いてきたらしく、考え込むように言った。
「それでどうしたいのかしら?」
柚衣が姉らしく冷静に言った。
「それはやっぱり親子として会いたいって事よ。」
「そうでしょうね。でもお母さんはどうかしら?」
「たぶんあなたたちのお母さんはあなたたちに気をつかっているんじゃないかしら。だからさっきはニングにしらをきったのよ。」
「そんな・・・」
その時莉絵がぽそっとつぶやいた。
「お姉さんなのね。」
「ええ。そうなるわね。」
「わかったわ。私からお母さんに話してみる。きっとお母さんもちゃんと会いたいと思っていると思うの。お母さんはとっても優しい人よ。私たちに気がねしなくていいとわかったらきっとお姉さん・・・にも会うと思うわ。」
「お願いできるかしら。私たちもニングがかわいそうで・・・」
ユークは下を向いて泣いているような仕草をした。
やがて姉妹は帰って行った。
「うまくいったわね。」
そう言うとユークはふふっと笑った。
「君、泣いてたんじゃないのか?」
「泣くわけないじゃない。でもあの場面には、とっても効果的だったでしょ。この任務には、あれぐらいの芝居は必要よ。」
「わかったよ。さすがだね。」
「あら誉められてるのかしら?私賛辞は素直に受ける性格なの。だからあなたの率直な感想を賛辞として、受けておくわ。」
ユークは悠然と微笑みながらタイートに言った。
「この調子で行けばなんとか任務は達成できそうだな。」
タイートがホッとして言った。
するとユークが少し考えながらつぶやいた。
「そうかしら・・・こんなにうまくいくのはおかしいわ。うまく行きすぎているのよ。きっと何かが起きるわ。」
「そうかなあ。ちょっと考えすぎじゃないのか?うまく行くのが悪いみたいじゃないか。」
「あなたってほんとに単純・・・というか楽天的、ほんとに気楽な性格ね。」
「失礼だぞ。ポジティブな性格と言ってほしいね。」
「まあ、それでもいいけど・・・」
ユークが再び考え込んでしまった。
そしてそのユークにもすぐ後ろのテーブルにいる一組のカップルが、じっと耳をそばだてている事には気づかなかった。
二人ともユークやタイートと同じぐらいの年齢に見える。
目が少しつりあがり唇のうすい細長い顔をしている少年と、丸顔に大きな目と少し突き出た唇が可愛い女の子の二人だった。
そしてユークとタイートを見つめる少女の愛嬌ある唇の端が少し上がっていた。
つづく