タイートはエルンゼの運命を左右すると言われる、防衛線死守のための特別攻撃隊の隊長に任命された。

特別攻撃隊とは、新しく組織された精鋭の若者たちによる特別任務だった。
成績優秀で幾つもの戦果をあげていたタイートが、隊長に抜擢されたのだった。
特別攻撃隊は、若者たちの中でも優秀な者たちが集められ、国民全部の期待を担う存在だった。

そこに選ばれるのは名誉であり、最後の砦だった。
その任命式が行われたのは、ルゥ-シュが姿を消してから半年後の事だった。


タイートはルゥ-シュを探したが見つけられず、その絶望感がタイートを戦争へと駆りたてていた。
そんな中で行われた任命式は、晴れやかで国中の期待を集めていた。

そんな国民の騒がしさとは別に、キーケル総司令官の表情は厳しく眉間には深い皺が刻まれていた。
そして任命式に臨んだ周りの隊員は皆誇らしげだったが、タイートの目はキーケル総司令官とは違う絶望感に暗くしずんでいた。


結局タイートはルゥ-シュを失った悲しみから逃れる事は出来なかった。
その悲しみを忘れようと戦いに身を投じたタイートだったが、さらに悲しみはタイートを包んで放さなかった。

そしてタイートが逃れた戦争は、最悪の状況を呈していた。
多くの戦士が必死の思いで戦ったが、戦況は好転する事は出来なかった。
このままではビスクール帝国に負けてしまう事は多くの人にもわかっていた。
そして事態を打開すべく特別攻撃隊は組織された。


タイートは隊長に任命され、自分と同じ年頃の若者たちを率いて前線である惑星シムガに降り立った。
シムガを占領されてしまうと、いよいよビスクールはエルンゼの防衛線を破ってしまうだろう。
そしてエルンゼの民を殺戮するだろう。

その上でエルンゼはビスクールの侵略地となってしまう。
エルンゼを守るため、どうしてもシムガをビスクールから守らなければならない。
シムガはエルンゼの前線基地なのだった。


ついに激しい戦いが始まった。
同じ年頃の戦士たちが命をかけて祖国を、家族を守るために戦った。

どこを見渡しても同じような14,5歳頃の少年たちばかりだった。
必死な目をして銃を手に敵に向かっている。

少年が銃を撃ち、また少年が向かって来る銃をかわして銃を撃ち返す。
果てしのない戦いが続いた。

戦況は厳しく、戦っても戦ってもビスクールの戦士は向かってくる。
みんなが苦しんでいた。

それはエルンゼだけではなく、ビスクールの戦士たちも同じだっただろう。



                  つづく