勇気もめぐみ一人を行かせるわけにもいかず後に続いた。
めぐみと勇気は大きな木の陰の前にうずくまった男を見た。
二人は少し手前の木に身を潜ませた。
その二人の目に映ったのは左腕と右足を切り落とされ倒れている男の姿だった。
そしてその前に一人の男がいた。
上から下まで続いている真っ白なタイツのような服を着ている。
その手には小さな銃のようなものを持っている。
その銃のような物は細く、手にすっぽりと収まるような大きさだった。
銃身には目盛りのようなものがあり、小さなボタンが2つあった。
ボタンのすぐ上に緑色のランプが点灯している。
男はその銃を見ながら満足そうだった。
そしてその表情は恍惚として笑みさえ浮かべている。
めぐみと勇気は目の前の光景が信じられず呆然と立っていた。
するとその男のそばにもう一人同じような服を着た男がいた。
その男は初老の小柄な身体をグレーのやはりぴちっとした服を身にまとい少し背中を丸めて立っていた。
「坊ちゃま。もう今日はこのくらいでいいでしょう。お疲れになったんじゃありませんか?」
「ん・・・そうだな。」
「ほんとに坊ちゃまは“お狩り”がお好きでいらっしゃる。」
「うん。狩りはいい。しかしこの衝撃銃はよく出来ているな。面白いように切れる。」
「そうでございましょう。まだこれは実験段階とはいえ最新技術を駆使して製造されたものですから。」
「うん。しかし気持ちのいいものだ、人間を切るのは。もっとこの銃を試してみたい。まだまだ切り足らない。」
それを聞いていためぐみは怖さも忘れ二人の前に姿を見せた。
「あんたたち。何を言ってるの?」
若い男はめぐみを見るとにやにや笑いながら言った。
「また来たか・・・人間というものはバカなやつらだ。自分からやって来るとは・・・じい、もう少しいいだろう?」
「しようがないでしょう。見られてしまった以上処分してしまった方が後が厄介にならずにいいでしょう。坊ちゃまどうぞ。」
そう言われた若い男の目は、らんらんと輝き狂気に満ちていた。
「あんたたちは何者なの?」
めぐみは若い男に聞いた。
「お前たちに言う必要はない。お前たちのような未開な星の連中にはね。」
「何ですって。未開ってどういう事?」
「僕たちの星はお前たちが銀河系と呼んでいる星雲から630万光年離れたところにある。お前たちとは比べ物にならない高い文明の星だ。」
「坊ちゃまは、我が国の王位継承者です。」
老人が横から自慢そうに言った。
「そんな高い文明の星から王位継承者が何しに来たのよ!さっさと帰ればいいじゃない。」
「だから言ってるだろ。僕はここに狩りに来てるんだ。僕は狩りが大好きなんだ・・・さあ、お前はどこを切ってほしい?僕が切ってやるよ。あははは・・・」
「冗談じゃないわ!殺されてたまるもんですか。大根やきゅうりじゃないのよ。簡単に切り刻まれるわけにいかないわ。あんたが広美を殺したのね。」
つづく
めぐみと勇気は大きな木の陰の前にうずくまった男を見た。
二人は少し手前の木に身を潜ませた。
その二人の目に映ったのは左腕と右足を切り落とされ倒れている男の姿だった。
そしてその前に一人の男がいた。
上から下まで続いている真っ白なタイツのような服を着ている。
その手には小さな銃のようなものを持っている。
その銃のような物は細く、手にすっぽりと収まるような大きさだった。
銃身には目盛りのようなものがあり、小さなボタンが2つあった。
ボタンのすぐ上に緑色のランプが点灯している。
男はその銃を見ながら満足そうだった。
そしてその表情は恍惚として笑みさえ浮かべている。
めぐみと勇気は目の前の光景が信じられず呆然と立っていた。
するとその男のそばにもう一人同じような服を着た男がいた。
その男は初老の小柄な身体をグレーのやはりぴちっとした服を身にまとい少し背中を丸めて立っていた。
「坊ちゃま。もう今日はこのくらいでいいでしょう。お疲れになったんじゃありませんか?」
「ん・・・そうだな。」
「ほんとに坊ちゃまは“お狩り”がお好きでいらっしゃる。」
「うん。狩りはいい。しかしこの衝撃銃はよく出来ているな。面白いように切れる。」
「そうでございましょう。まだこれは実験段階とはいえ最新技術を駆使して製造されたものですから。」
「うん。しかし気持ちのいいものだ、人間を切るのは。もっとこの銃を試してみたい。まだまだ切り足らない。」
それを聞いていためぐみは怖さも忘れ二人の前に姿を見せた。
「あんたたち。何を言ってるの?」
若い男はめぐみを見るとにやにや笑いながら言った。
「また来たか・・・人間というものはバカなやつらだ。自分からやって来るとは・・・じい、もう少しいいだろう?」
「しようがないでしょう。見られてしまった以上処分してしまった方が後が厄介にならずにいいでしょう。坊ちゃまどうぞ。」
そう言われた若い男の目は、らんらんと輝き狂気に満ちていた。
「あんたたちは何者なの?」
めぐみは若い男に聞いた。
「お前たちに言う必要はない。お前たちのような未開な星の連中にはね。」
「何ですって。未開ってどういう事?」
「僕たちの星はお前たちが銀河系と呼んでいる星雲から630万光年離れたところにある。お前たちとは比べ物にならない高い文明の星だ。」
「坊ちゃまは、我が国の王位継承者です。」
老人が横から自慢そうに言った。
「そんな高い文明の星から王位継承者が何しに来たのよ!さっさと帰ればいいじゃない。」
「だから言ってるだろ。僕はここに狩りに来てるんだ。僕は狩りが大好きなんだ・・・さあ、お前はどこを切ってほしい?僕が切ってやるよ。あははは・・・」
「冗談じゃないわ!殺されてたまるもんですか。大根やきゅうりじゃないのよ。簡単に切り刻まれるわけにいかないわ。あんたが広美を殺したのね。」
つづく