瑠衣はすぐに会社に戻り、特別企画室の佐伯香織に会う事にした。
香織は一見したところ、可愛いお嬢様タイプで社内でもアイドル的存在だった。
某タレントのようなぶりっ子で、いかにも頭が少し足りなさそうに見えるがこれが全くの作られたキャラクターだった。
本来の特別企画室の仕事になると目つきまで変わり、身のこなしも別人のように素早い。
あらゆるスポーツに万能で、特に射撃の腕は超一流だ。
室長の田村よりも射撃に関しては、香織の方が上だというほどの腕前だ。
某タレントのようなぶりっ子で、いかにも頭が少し足りなさそうに見えるがこれが全くの作られたキャラクターだった。
本来の特別企画室の仕事になると目つきまで変わり、身のこなしも別人のように素早い。
あらゆるスポーツに万能で、特に射撃の腕は超一流だ。
室長の田村よりも射撃に関しては、香織の方が上だというほどの腕前だ。
瑠衣が香織に話している間もいつものぶりっ子ぶりは崩さなかったが、香織の目からは普段のぶりっ子ぶりは消えていた。
遠くから見る限りでは若い女子社員が二人、楽しそうにファッションか芸能人の話でもしているように見えた。
遠くから見る限りでは若い女子社員が二人、楽しそうにファッションか芸能人の話でもしているように見えた。
「わかったわ。室長には私から話しておくから、後で特別企画室に来てちょうだい。」
「うん、よろしくね。私、裕ちゃんを絶対助けたいの。これ、例のメモリーカードよ。」
瑠衣が仕事を済ませて特別企画室に入ると、部屋にいたのは室長の田村と牛島洋子の二人だけだった。
田村は室長席で新聞を読んでいたが、瑠衣を見ると立ち上がった。
牛島洋子はパソコンに向かったままだった。
田村は室長席で新聞を読んでいたが、瑠衣を見ると立ち上がった。
牛島洋子はパソコンに向かったままだった。
「やあ、瑠衣ちゃん。今日も可愛いね。ささ、ここに座ってお茶でもどうだい?」
田村はにこにこしながら、小さな応接セットに移動した。
田村はにこにこしながら、小さな応接セットに移動した。
本来なら特別企画室が動くには上の許可がいるのだが、瑠衣はさる重役の秘密を知っていた。
それは会社の存亡そのものに影響を与えるほどの重大な事柄だった。
当時瑠衣は重役の秘密と特別企画室に関する事全てを、決して漏らさないという約束を交わした。
もっとも瑠衣は最初から公にする気は無かった。
そのおかげで瑠衣は特別企画室にも顔が利くのだ。
それは会社の存亡そのものに影響を与えるほどの重大な事柄だった。
当時瑠衣は重役の秘密と特別企画室に関する事全てを、決して漏らさないという約束を交わした。
もっとも瑠衣は最初から公にする気は無かった。
そのおかげで瑠衣は特別企画室にも顔が利くのだ。
それに瑠衣は、室長の田村のお気に入りなのだ。
瑠衣は応接セットのソファの横に立ち、深々と頭を下げた。
瑠衣は応接セットのソファの横に立ち、深々と頭を下げた。
「室長、よろしくお願いします。」
「うんうん、わかってるよ。」
田村はメガネを少し押さえ、牛島に言った。
田村はメガネを少し押さえ、牛島に言った。
「牛島君、資料を頼む。」
「はい。室長。」
パソコンに向かっていた牛島洋子が、プリンターから数枚の書類を取り出し田村に持って来た。
パソコンに向かっていた牛島洋子が、プリンターから数枚の書類を取り出し田村に持って来た。
「かなり、やっかいな事になってますね。」
「うん。確かに・・・大物政治家と大企業に官僚か。おまけに暴力団まで絡んでいる。オールスター勢ぞろいって訳だ。こりゃあこっちも少し考えないといけないね。」
「すいません。とんでもない事に巻き込まれてしまって・・・」
「まあ、なんとかなるだろう。瑠衣ちゃん、心配しなくて大丈夫だよ。ここはそういう時の為の部署なんだから。」
田村はにっこり笑っている。
田村はにっこり笑っている。
この室長の田村という男、単なる中年の親父に見えるが今まで相当危ない事をやっていたらしい。
若い頃は裏の世界で知らない者はいないと言われたほどだ。
一時は外人部隊にもいたという噂もあるとか、ないとか。
若い頃は裏の世界で知らない者はいないと言われたほどだ。
一時は外人部隊にもいたという噂もあるとか、ないとか。
冷静で状況判断も早く、的確。
メガネの奥の目は普段は優しいが、仕事をする時はとてつもなく鋭くなる。
その田村がこの会社にいるのも不思議な話だが、どうも今の社長と個人的なつながりの為らしい。
若い頃に社長に世話になった事が有り、恩を感じた田村が特別企画室を引き受けたそうだ。
メガネの奥の目は普段は優しいが、仕事をする時はとてつもなく鋭くなる。
その田村がこの会社にいるのも不思議な話だが、どうも今の社長と個人的なつながりの為らしい。
若い頃に社長に世話になった事が有り、恩を感じた田村が特別企画室を引き受けたそうだ。
そして牛島洋子はパソコンを扱わせたら右に出るものはいない。
そのパソコンを駆使した、情報収集能力はピカイチである。
特別企画室に集まる情報、すなわち今世界で起こっている全ての情報をつかみ、特別企画室の業務に生かしている。
田村も実は牛島には頭が上がらないらしい。
そのパソコンを駆使した、情報収集能力はピカイチである。
特別企画室に集まる情報、すなわち今世界で起こっている全ての情報をつかみ、特別企画室の業務に生かしている。
田村も実は牛島には頭が上がらないらしい。
男子社員の野口は空手、柔道、剣道、テコンドーなど全てのスポーツをこなす。
空手、柔道、剣道については合わせて十段以上の有段者である。
空手、柔道、剣道については合わせて十段以上の有段者である。
もう一人の男子社員安永は男性だが、外見はほっそりと女性のような身体つきで、おまけに歌舞伎の女形のようなやさしい顔をしている。
安永はこの容姿を利用して化けるのだ。
いわゆる変装の名人で、どんな者にも変装してしまう。
安永はこの容姿を利用して化けるのだ。
いわゆる変装の名人で、どんな者にも変装してしまう。
安永の両親は大衆芝居の役者で、安永も小さい頃から舞台に立ち、座長だった父親から厳しく仕込まれた。
その為あらゆる扮装や化粧に精通していた。
両親が交通事故で亡くなって一座は解散してしまったが、安永はその経験を生かして本物以上に化ける事が出来た。
安永はその技術を使い、特別企画室の業務に役立てていた。
その化けっぷりは見事で、老若男女に化ける。
すぐ近くで見られても見破られる事はなかった。
その為あらゆる扮装や化粧に精通していた。
両親が交通事故で亡くなって一座は解散してしまったが、安永はその経験を生かして本物以上に化ける事が出来た。
安永はその技術を使い、特別企画室の業務に役立てていた。
その化けっぷりは見事で、老若男女に化ける。
すぐ近くで見られても見破られる事はなかった。
「あとの3人は橋口の周りを探らせているから、瑠衣ちゃんをつけ回していた奴の正体もわかるだろう。そろそろ帰ってくる頃だよ。」
「はい。」
瑠衣はうなずいたが、やはり裕康の事を思うと胸が切り裂かれそうだった。
そんな瑠衣の様子を見て田村は静かに言った。
瑠衣はうなずいたが、やはり裕康の事を思うと胸が切り裂かれそうだった。
そんな瑠衣の様子を見て田村は静かに言った。
「瑠衣ちゃん、大丈夫だからそんな顔しないで。可愛い顔が台無しだよ。」
「はい。ありがとうございます。」
瑠衣は田村の言葉がうれしかった。
瑠衣は田村の言葉がうれしかった。
つづく