やり直せるなら・・・２

その日、綾子は他のクラスメートから里美の父の話を聞かされていた。
「綾子さん、里美さんとはお付き合いなさらないほうがよろしいんじゃないかと思いますの。里美さんとお付き合いしていると綾子さんまでお仲間だと思われてしまうんじゃないかしら・・・私、とっても心配してるの。
だって里美さんのお父様ってとっても下品で野蛮だって私の母も申しておりましたわ。私もこんな事言いたくなかったんですけど綾子さんのためを思って申し上げているのよ。」
そう言って綾子を媚びるような視線で見つめた。

綾子はきっぱり否定するつもりだったが日頃から自分の意見を主張する事など無く、おとなしかった綾子はただ「お気遣い、ありがとうございます」としか言えなかった。

そして・・・その時教室に里美が入ってきた。
里美はその会話を聞いてしまった。
里美は立ちすくみ、一瞬淋しそうな表情で綾子を見つめた。
綾子は何か言わなければと思ったが何も言う事が出来きずにいた。

すると里美は突然顔を崩したと思うと泣きながら教室を飛び出して行った。綾子はあわてて追いかけたが見失ってしまった。その日、里美はとうとう戻って来なかった。
その後何度か綾子は話しかけたがその度に里美は綾子を避け続け夏休みの途中で学校を辞めた。家も引っ越してしまいその後2度と綾子は里美と会う事は無かった。

－そして今綾子は里美が泣いて教室を出て行った翌日の教室にいた。
　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく