駅で電車の時刻を調べ次の電車まで少し間がある事を確認し、千絵は駅前にある小さなコンビニに入った。
忘れないうちにダイエット・クッキーを買っておこうと思ったのだ。
そしていつも買っている見慣れたダイエット・クッキーの箱の横に見た事のない変わった箱を見つけた。
真っ黒な箱には「たった一粒で1日分のエネルギーを補充します」と書いてあるだけだ。
箱には11粒入りで5千円の値札がついている。
「何これ?サプリにしてはずいぶん高いなあ。」
千絵は黒い箱を手に取った。
箱は軽く、振ってみてもカラカラと音がするだけだ。
「1粒で1日もつなんて本当かなあ・・・まあ、ちょっと飲んでみようかな・・・」
そうつぶやくと千絵はレジに向かった。
そして店員に訊いた。
「あの、これ新製品ですか?」
「ええ、この間発売されたばかりです。人類の新陳代謝にはとても効果的ですよ。」
店員は答えた。
「え?人類?」
「あ、失礼しました。もちろんあなたの、という意味です。」
千絵は変な事を言うなとは思ったが、とりあえず買ってみる事にした。
そろそろ電車が来る時間が迫っていたのだ。
千絵が清算を済ませ、コンビニを出て駅へ向かうのを店員はジッと見送っていた。
その時、店員の唇の端が少し上がった。
「愚かだ・・・」
店員がつぶやいた。
しかし千絵にはその声は届かなかった。
つづく
忘れないうちにダイエット・クッキーを買っておこうと思ったのだ。
そしていつも買っている見慣れたダイエット・クッキーの箱の横に見た事のない変わった箱を見つけた。
真っ黒な箱には「たった一粒で1日分のエネルギーを補充します」と書いてあるだけだ。
箱には11粒入りで5千円の値札がついている。
「何これ?サプリにしてはずいぶん高いなあ。」
千絵は黒い箱を手に取った。
箱は軽く、振ってみてもカラカラと音がするだけだ。
「1粒で1日もつなんて本当かなあ・・・まあ、ちょっと飲んでみようかな・・・」
そうつぶやくと千絵はレジに向かった。
そして店員に訊いた。
「あの、これ新製品ですか?」
「ええ、この間発売されたばかりです。人類の新陳代謝にはとても効果的ですよ。」
店員は答えた。
「え?人類?」
「あ、失礼しました。もちろんあなたの、という意味です。」
千絵は変な事を言うなとは思ったが、とりあえず買ってみる事にした。
そろそろ電車が来る時間が迫っていたのだ。
千絵が清算を済ませ、コンビニを出て駅へ向かうのを店員はジッと見送っていた。
その時、店員の唇の端が少し上がった。
「愚かだ・・・」
店員がつぶやいた。
しかし千絵にはその声は届かなかった。
つづく