

今日は、DVD「手話で語る3.11 ~ 宮城 被災ろう者の体験談」を

制作・販売されている映像作家の今村 彩子さんをご紹介します

http://blog.livedoor.jp/rouinc/archives/51842498.html
今村さんは名古屋出身の33歳の女性で、彼女自身ろう者であり、
ろう者を主人公にしたドキュメンタリー映画を、数多く制作されています。
そして今村さんの小柄でかわいらしい外見からは想像もつきませんが、
その活動内容の大きさたるや もう驚くしかありません

彼女は名古屋学院大学・愛知学院大学で講師をする傍ら、ドキュメンタリー映画制作で
日本国内、アメリカやカナダ、韓国など海外にも取材に行かれ、
その上、講演活動もこなされるというバイタリティーに溢れた女性なんです

そんな素敵な今村さんの小学校時代の夢は「映画監督になりたい・・・・」ということでした

生まれつき耳が聞こえなかった今村さんは、友達とのおしゃべりの輪に入ることができず
家に帰っても、当時はテレビ番組に字幕がついていなかったので寂しい思いをされたそうです。
ご自身のOFFICIAL WEBSITEにそのお話を掲載されておられるので、
そのまま転載させていただきました。
私が子どもの頃は、テレビ番組に字幕がついていなかったため、

家族と一緒にテレビを楽しむことが出来ませんでした。
寂しそうにしている私を見て、
父はビデオレンタル店で字幕付き洋画を借りてくれました。
初めて見た映画は「E.T.」。
宇宙人と少年の友情物語に感動した私は、
大人になったら、多くの人に元気や勇気を与えるような映画を
作りたいと思うようになりました。
19歳の時にアメリカに留学し、映像制作の技術を学びました。
帰国後、バイト代で買ったビデオカメラで
ドキュメンタリーを撮り始め、現在に至っています。
取材をきっかけに出会った人々は150人以上。
少しでも多くの人たちに彼らの夢や想いを届けたい。
そして、一人ひとりが自分らしく生きることのできる社会を
作っていきたいと思っています。
このようにご自分の信念をしっかりと貫かれた今村さんが
DVDを制作されようと思われたきっかけは、震災後、
東北のろう・難聴者の情報が報道で伝わってこなかったことにあります。
伝えることをライフワークとして活動している自分にできることは
ろう者の現状や声を社会に伝えることだと思われた今村さんは
震災から11日後の3月22日、宮城県に行かれました。
「現場を知っている人間は社会に伝える責任がある」
そう思っておられる今村さんは、よく人から強いと言われるそうです。
でもご自分はそうは思われてなくて、ご自身のブログにこう書かれています。
12年間、映画制作してきたことや行動力を強さと言うのなら、
それは私が現場を取材して現状と問題を知り、社会に伝える責任があると感じてるからだと思う。
使命感。これが私のエネルギー源なんだと思う。
そして今村さんはその後何度も東北へ行かれ、
被災地の取材を通して一番感じられたのは、地域の絆が大切だということだったそうです。
震災や台風で停電になり、テレビや携帯が使えなくなった時、一番頼りになるのは近所の人だからです。
ろう者の方たちはテレビやラジオや津波等の警報音を聞くことができないので、
近所の人たちの協力がないと、今何が起きているのか知ることができないし、
どこに避難したらよいのかも知ることができないのです。
その上ろう者の方たちにとって、視覚から得る情報はとても貴重なものです。
しかし、夜停電になり辺りが闇に包まれてしまうと、視覚から得られる情報も一切遮断されてしまうのです。
ろう者の方たちはこのように社会から守られていない状態で、どう命を守れば良いのでしょうか?
私は 普段から思いを広げていれば想像できるであろう、ろう者を取り巻く現実にやっと気づかされました。
自分の視野の狭さに、自分の思いの狭さに気づかされました。
そしてこれは社会全体で考えていかないといけないことだとも思いました。
それから今村さんは、普段からのコミュニケーションを大切にすることも訴えられています。
ろう者の方たちが避難所で生活されていたときは、物資の配給があっても直接その情報を聞けないので、
常に周りの人の動きをじっと目で観察されて、人の動きに合わせて動かれていたそうです。
でもそんな生活をずっと続けていたら、精も根も尽き果ててしまいますよね。
そして仮設住宅に移られてからもまた、コミュニケーションをとることが難しく、
話し相手もできず、孤独に過ごされている方が多いのです。
やはり人とかかわっていかないと、人は寂しくて生きてはいけません。
人の優しさが、人の思いやりが、どうしようもない不安や孤独感を和らげてくれるのですから。
http://studioaya.com/img_media/201205_ashita.pdf
そしてろう者の方たちとのコミュニケーション方法は、手話だけではありません。
筆談でもできるし、伝えようと思えば身振り手振りなど、いろんな方法があります。
そして大切なのは、相手に伝えたいと思う心、相手を理解しようと思う心
その大切な心を今村さんは映画にされました。
それがドキュメンタリー映画「珈琲とエンピツ」です。
今村さんは、この映画の主人公である太田さんと出会われて、太田さんが聴者、ろう者関係なく、
心をオープンにして接しておられるのを見て、大切なことに気づかれたそうです。
それまで今村さんは手話を知らない聴者とは距離を置き、聴者の世界では自分を出せずにいたそうです。
そういう自分に窮屈さを感じておられたのですが、それは自分自身がつくった壁だったことに気づかれたそうです。
そんな太田さんの「言葉を越えたコミュニケーション」を
多くの方々に知ってもらいたいという今村さんの想いを込めて、2011年10月1日に映画が完成しました

映画の上演・講演会の日程はこちらでご覧になれます

http://coffee-to-enpitsu.com/news/index.html
「珈琲とエンピツ」の自主上映を希望される会社・学校・団体なども募集されておられますよ

私も今回今村さんの記事を書かせていただいて、この映画をぜひとも観たいと思いました。
そして朗報です

「珈琲とエンピツ」が文化庁映画祭記録映画部門にノミネートされたそうです。
やっぱり素晴らしいものは、きちんと評価されるのですねぇ

今村さんのOFFICIAL WEBSITE
http://studioaya.com
ドキュメンタリー映画「珈琲とエンピツ」公式サイト
http://coffee-to-enpitsu.com
最後に今村さんが「ろう者」という表現をHP・ブログ等で使われていたので、私もこの表現を使わせていただきました。
http://coffee-to-enpitsu.com/aboutmovie/index.html
今回私は今村さんの制作されたDVDを観て、書かれた記事を読んで、やはり自分のことだけでなく、
みんなが良くなるためには、みんなが幸せになるためにはどうしたらよいのかと考え、
みんなで幸せになっていくように、できることから始めていこうと思いました。
今すぐ私たちにできること、
それは自分の身近な人を思いやること、理解しようと努力すること、
そして何より人とのコミュニケーションを大切にすることだと思います。
よろしければみなさんもご一緒に、今から始めてみませんか

あ、それから今村さんのDVDを購入すること、

映画「珈琲とエンピツ」の上映会が近くであれば観に行くこと、
これこそ今すぐできますよ~
