ひょえ~![]()
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あまりにかぁーっとなり過ぎて、包丁で刺して
まだ動くから、怖くなってひもで、首しめたら
動かなくなった。
いや~んどうしよう![]()
みょうに冷静だし、みょうに慌てているし、
え~っとこういう時は、何をすればいいのかな![]()
子供には、この惨状を見せるわけにはいかない。
千鶴は、両親に連絡をとった。
まず、子供の安全と安心が先だ。
又三郎は、もう死んでいるし、取り返しのつかない
事だけど、私もやっちゃったし、警察につかまる
だろうし、それは仕方がないけど…
両親の驚く顔、怒る顔が目に浮かぶ。
何て言われようと、こうなっちゃったんだから
仕方がないよね…
子供を急いで支度させ、実家へつれて行く。
千鶴は、ありのままを両親に話した。
両親の答えは…
「埋めなさい」
「え~っ」
「埋めてきなさい」
え~っっ![]()
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まさか、まさかの両親の反応にただただ唖然
今まで、両親の話はいつもしたがってきたけど…
もうその時の千鶴に冷静な、判断能力などなく…
うなづくのでした。![]()
翌朝、家に一人で帰ると、昨日の惨状のまま
当たり前か…![]()
どきどきしながら夜を待ち、必死で死体を
荷車に乗せ、山に向かって歩き出しました。
見つかるかな![]()
大丈夫かな![]()
重~い![]()
でも何とか、進みました。
誰にも会いませんでした。
怖かったけど、がんばりました。
山深く登ったところで、夜が明けかかって…
いや~ん 早くうめなきゃ~
早くしないと夜が明けちゃうよ~
必死に掘って、掘って、掘って
押し込んで、押し込んで、押し込んで
山奥の小さなおやまができました
荷車は途中で捨てました。
疲れ果てて、実家に帰ると…![]()
座敷牢が用意されて、いました。
「入りなさい。こどもは私たちが育てます。
あなたは、病気になって子供を育てられなく
なったことにします。」
周りは、壁しかありません。
後悔と、むなしさと、哀しみと、憂鬱が
順番に押し寄せてきます。
感情が崩れていく…
食事も食べられなくなり…
本当に病気になって、そのまま千鶴は
空に帰りました。
さて問題です。だれが悪かったのでしょうか。
答え
誰もわるくは、ありません![]()
この話を、薔薇夫人に相談した時
「だんなさんを埋めながら、あなたは、自分も
一緒に埋めたんだよ。」
そう言ってくれました。
私のなかの千鶴が解放された、瞬間でした。
身体の中に埋もれている、あなたの中の
千鶴に会いませんか?
おしまい