11月8日から12月5日まで、金星が天秤座に滞在します。
金星は天秤座を支配するので、本来の住居地(ドミサイル)に還って、のびのびとその本領が発揮されるでしょう。
ちょうど現在は火星も住居地の蠍座に滞在しております。ということで、この時期は酸いも甘いも、心地よいことも悪いことも、目の前の人間関係を通して体験することになるでしょう。
私たちは基本的には、どこにいて、誰といても、スムーズで心地よく快適に過ごしたいものです。揉めるよりは仲良い方がいいですよね。
そうした調和、良い雰囲気、仲良しの感じを創り出そうとする本質は、まさに天秤座の金星が持っている能力です。
これは原子や分子が互いに惹かれ合って、くっつく原理に相当するもので、異質なものとのあいだにハーモニーを創り出す性質ともいえますね。
しかしそこには努力が必要です。このタロットのカップの3は、まさに調和や喜びを象徴するカードですが、女性たちの着ている服の色が異なることから、それぞれが違う価値観や考えを持っているとされています。
その異なる者たちが調和して、多くの実り(足元の野菜や果実)を得た……ということで、これは占星術だと土星に相応するカードでもあります。
土星は天秤座に位置するときに高揚(イグザルテーション)して、最も強く働くのですが、それは逆にいうなら「天秤座の性質には土星が欠かせない」ということでもありますね。
本当にそれは、そうですよね。
美しく在る人たちが、日頃どれだけの努力をしているのか。巷にあふれかえる美容系の情報や動画、化粧品メーカーの企業努力による新製品の数々を見ると、とてもよくわかります。
メイクの上手な人は顔のパーツやスキンケアの研究を怠らず、ファッションセンスの良い人は常にトレンドをチェックして、体型やカラーやアイテムの組み合わせの研究をしているでしょう。
アーティストはより良い作品を創るために苦しみ続け、演者もまたどうしたらもっと優れたパフォーマンスができるのか、努力と研究を怠ることがないでしょう。
美は1日にしてならず。優れた美しさ、作品、製品、サービスこそ、磨かれた賜物です。
どんなに出来の良いものが完成したとしても、他者がより良く美しいパフォーマンスをするのを見たら、嫉妬して、悔しくなるかもしれませんし、もうイヤだと投げ出したくなることもあるでしょう。
そこにかける情熱や真剣みが高いほど、それらの感情がエンジンとなって、また次のチャレンジへと駆り立てるかもしれません。
天秤座という星座は、潜在的に向かいの牡羊座の強さや負けず嫌いさを秘めているので、意外と熱血なのですね。
同じ努力がパートナーシップ、人間関係にも欠かせません。誰かと関わると、思い通りにならず、イライラして、ひとりでいる方がずっとマシだと感じることがたびたび起きるでしょう。
そのたびに努力して、改善して、受容してみたり、強く主張したり、相手を変えようと試みたり、あきらめて放っておいたり。
そうやって押したり、引いたり、こねくりまわしたり、放置したりと、長い格闘の末に、磨かれて丸くなるのかもしれません。
この一カ月、金星をどこに向けて、どんな風に使いますか?
「まあまあ」とか「無難に」とかではなく、本気で何かに向かってみるのも、良い経験になるのでは?と思います。