【土星】天秤座の土星 | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

『対象とのあいだにちょうど良いバランスを見出して調和すること』を象徴する天秤座に土星があると「いかにベストな調和点を見つけられるか」という主題が生じるでしょう。

 

土星は天秤座に位置しているときに高揚するため、その質が強く引き出されます。土星の本質は現実の構造の中で物事を達成させること、時間をかけて成熟させることにありますが、天秤座と関わることで、主体と客体にとってベストな環境、ベストなタイミングでの、完璧に調和する形での達成をめざすことになります。

 

表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に精神的・感覚的・感情的に影響し合う活動をアートと呼びますが、これはまさに天秤座の土星と関わっているでしょう。

 

何を表現するにせよ、表現者はいつもより美しく完璧なものを創り出そうとします。それには時間がかかり、すぐれた表現物であるほど、それは創り出される前に全体像が練られる必要があるでしょう。

 

音楽や絵や物語、踊りや演劇、料理でも、なんでも、創作物は全体を通して完璧な調和がなされるほど、鑑賞者の心を打つものです。

 

より完璧な完成をめざすため、この配置を持つ人は、何事に対しても事前準備にしっかりと時間をかけたがるかもしれません。

 

そしてまた予想できる範囲で、何が起こる可能性があるのか、見通しをつけておこうとするでしょう。

 

それはこの配置の人が慎重だからというよりも、より完璧な美しい形での完成をめざしているためといえます。

 

 

天秤座は関係性を象徴するため、この配置は他者との関わりにおいても、できる限りの調和をめざそうとするでしょう。

 

そこではアートな感性が大いに働きます。しっかりと自身を表現して、相手に理解してもらうこと。また相手を最大限に理解しようと努めること。

 

天秤座の土星にとって人間関係は何よりも大切なもので、ひとたび誰かと親しくなると、恋人でも友人でも、長く付き合っていこうとするはずです。

 

信頼と相互理解が何よりも大切で、丁寧にそれを育む行為に愛を見出すでしょう。お互いに決めた約束をしっかりと果たして、誠実に向き合っていくことを求めるのです。

 

時間をかけて、じっくりと愛と信頼を成熟させていきますが、正義感が強く、実直なため、相手が同じような愛と信頼を返してくれなかったときは深く傷つき、失望するかもしれません。

 

そこに完璧さを求めるあまり、そのような経験をすると、容易に人を信頼できなくなり、何度も確かめて、どこか表面的なところでだけ、人と付き合おうとするようになるでしょう。

 

あるいは「自分は誰からも理解されることはない」と思いこみ、ひとりでいることを好むようになるかもしれません。

 

天秤が象徴しているものは、人の心は瞬間毎に変わり、最高のバランスの瞬間に留まることはできないということ。その時々でお互いが影響を受けて、その本質が引き出され合う、アートだということ。

 

相手の態度がどうであったとしても、自分の側だけは正直な態度で、誠実に表現し続けることで、関係を成熟させることができるのでしょう。