幼少期から何となく目に見えないものを信じていたし
何かがいることは薄々感じていました
でも見ないようにしていました
だってもし何かが見えてしまったら…
夜ひとりでトイレに行けないし寝るのも怖いしね
二十歳まで何も見えなかったら一生見えない
という噂を信じて早く大人になりたいと
本気で思っていました
(てかそれどこからの情報やねん)
でも実際は母の話によると私は既に4歳で
母には見えない誰かと話をしていたそうです
私の記憶にはないのでもうなかったことにしよう
そんな私はとても怖がりで祖父からことあるごとに
地獄の閻魔さまの話を聞かされていました
地獄には閻魔大王という門番的な人がいて
生前の行いに対して審議をするらいいのです
(願わくば断固審議拒否)
その際噓をつくと舌を抜かれるという
幼少期の私にはこの上なく強烈な衝撃かつ恐怖を
与えられる話を聞かされていたせいか
祖父母の言いつけを守る従順な子供でした
そして祖父はその閻魔様さまと電話ができるそうなので
私が悪態をつこうものなら黒電話の受話器を持ち上げ
「あ~もしもし閻魔か?」と話し始めた記憶があります
いやいやいやいや~
今から考えると
じいちゃんよう考えたらそれ嘘やん
じいちゃん今そっちの世界で舌あるのかと問いたい
とにかく私は良い子でないといけないと思い込み
雨の日の祖父母のお使いやお手伝いは
居酒屋で注文を受けた店員さんの如く
「はい喜んで~」
と走って行ったのは容易に想像がつきますよね
そしてそれを数十年の時を経てなんの悪びれもなく
私も子供に同じ手を使ったのは言うまでもないヒヒヒ
ピュアだった私も大人になってふと気が付いたら
反省や後悔や謝罪したいことだらけになり
もし閻魔大王さまにお会いする機会があれば
全力で土下座して詫びなければならないみたいです