とある国に異端の若者が二人いた。
一人は銀髪で一人は瞳が赤かった。
そしてこの二人は「魔法」が使えた。
銀髪はあらゆるものを破壊し、赤目はあらゆるものを創造した。
銀髪は異端であったがため皆に嫌われ、赤目は異端であったがため皆に崇められた。
赤目が創造したものは銀髪が破壊した、銀髪の破壊したものは赤目が創造した。
二人の魔法は不安定だったからこそ二人は互いの魔法をぶつけ、否定した。
銀髪には赤目以外いなかった。赤目には本当の赤目を理解してくれるのは銀髪だけだった。
銀髪も赤目もお互いがいなくてはならない存在だった。
嫌われ者であったがため、銀髪はこの生活を嫌っていた。
崇められていたがために、赤目はこの生活が嫌いだった。
赤目は銀髪さえ傍にいればいいと思っていた。
ある日、この国に一人の「人ならざる者」が来た。
金色と青色、二つの違った瞳を持った者はエルフだと言った。
エルフは二人と同じように魔法が使えた、二人はエルフに興味を持ち関わるようになっていった。
エルフはあらゆるものを再生できた、銀髪が破壊したものを一から創造した赤目とは違ってエルフは破壊されたものを元に戻すことができた。
エルフがこの国に来たことにより人々にとって必要なものが再生された。
人々はエルフを崇め、赤目を遠ざけるようになった。
赤目は清々した、崇められるのは嫌いだったから。
赤目は創造することをやめた。
銀髪は以前より嫌われることはなくなった、銀髪が破壊したものをエルフが再生してくれるから。
銀髪は嬉しかった、まだまだ嫌われ者とはいえ少しずつ受け入れられてきたから。
銀髪は破壊を続けた。
やがて銀髪はエルフに惹かれ始めた。
それに気づいた赤目は、銀髪をエルフに近づけさせまいとした。
だが、赤目の行動は空回りし、銀髪とエルフは徐々に親しくなった。
赤目は銀髪が離れていくのがはっきりと感じ取れた。
しかし、異端であったとしても銀髪も赤目も「人間」だった。
「人間」は「人ならざる者」と恋に落ちてはいけない、これは世界のルールだった。
赤目はそれを知っていた、だから銀髪が諦めて戻ってくることを待つことにした。
だが、銀髪が赤目のところに戻ってくることはなかった。
この国一番の美しい湖で銀髪とエルフの亡骸が発見された。
銀髪とエルフは愛し合っていた、そしてお互いが結ばれてはいけないということも理解していた。
二人は結ばれる方法を考え、二本のナイフをお互いの首に突き立てた。
人々は二人を同じ墓に埋葬した。
赤目は発狂した、戻ってくると信じていた銀髪が自分の手の届かないところによりにもよってあのエルフと行ってしまったのだから。
赤目は発狂し、泣いた、泣いて泣いて泣いて、全ての水分が出尽くしたところで
まずは二人の墓を、次に住んでいた国を、そして世界を
破壊しつくした。
赤目は破壊の魔法が使えるようになっていた。
いつからかは忘れた、どうやってかも忘れた。
ただ、魔法を使えるようになったときに赤目は歓喜した。
何もかも破壊しつくした赤目はもう何も存在しない大地の上に立ち大量の血の涙を流しながら言った。
「ヤット、イッショニナレタネ」
お久しぶりです。なかなか更新できなくて申し訳ありません。
今回は友人に適当に出してもらった「銀髪、赤目、エルフ、心中、オッドアイ」をお題で書いてみました。
即興で書いたので読みにくいところなどあると思いますが、ご了承ください。