派遣のお仕事に就くための、企業の見学に行ってきました。

朝9:30、地下鉄出口集合。
基本的に、早めに着く習慣の私である。20分前には到着。まだ誰も来ていない。
蒸し暑いし、喉も渇いたし、じっと立って待つのもなんなので、近くのカフェでコーヒーを一杯いただく。
5分ほど前に集合場所に戻ると、派遣会社の営業さん&フォロー担当の方がいらっしゃった。

挨拶もそこそこ、会社に向かって歩き始めに、フォロー担当の女性の方が「地下鉄から来ましたか?」との質問。
出口からではなく、違う場所からやってきた私が疑問だったようだ。
「いえ、早めに着いたので、すぐそこのカフェでコーヒーを飲んでいました。」答えた私に、いきなり営業さんが、

「え”???コーヒー飲んでたんですか???」

・・・ちょっと責め気味な口調。
遅刻したわけでもないのにー。真剣味が足りない印象でも与えたのかしら?いいじゃんね。
コーヒー飲むと、落ち着くではないですかシラー

さて、企業見学ということで、実際の職場の雰囲気も見させていただき、上司に当たる方、リーダーの男性社員の方にそれぞれ仕事の説明をしていただいた。
おぼえることが社員並みにあるらしく、何人かチャレンジした派遣さんがたて続けにリタイアしているそうな。
残業はなし(こちらとしては少しあった方がありがたいのだけど)、もちろん交通費は実費、1日7時間勤務、通勤は1時間半・・・と、決して私の条件に適うわけではないのだが、この1ヵ月間、応募した仕事はことごとくお断りを受け、派遣会社から紹介された仕事もなぜか途中で「企業の予算都合がつかなくなった」という苦しい理由での見合わせが続き、無職状態だったのもあり、受けることにした。
以前、一度、お世話になったことのある企業さまなので、多少、雰囲気を知っていることも手伝ったかもしれない。

しかし、今回の仕事内容もさることながら、私が氣になったのは、リーダーの方が何度も何度も「毎日いろいろなお客さんからの電話がはいるけれど、チームメンバー全員で、泣いたり笑ったりしながら仕事の理解と質を高めていきたいと思っている。」と繰り返す言葉。

「泣いたり笑ったりしながら・・・」

一応、金融機関の仕事である。
私の思い描くイメージと少し、いや、だいぶ違う。
・・・と思ったけど、そういえば、前にお世話になった部署でも、「ここって人情派」って思った記憶が甦ってきた。
一旦離れて1年以上になるけれど、変わっていない。この企業の社風なのかもしれない。

派遣会社の営業さんから見学当日に初めて聞いたが、「派遣社員にも、正社員並みの知識と経験を培ってもらうつもり」なんだそう。
だったら、私としては、派遣社員でいる必要はないのですが。
交通費~。せめて半分~。じゃなかったら残業10時間くらい~。(心の声)
派遣会社の仕事情報には「残業時間5~15時間」と載せてあるものは、たいがい、引き受けて仕事してみると「残業なし」になることが多いが、今日の話の流れ的に「決めました。残業は0で行きましょう。」には、さすがにがっかり。
実際、仕事内容を聞いたら、社員さん並みの勉強が必要になりそうな感じである。なのに、残業は0。時給はごく普通の金額なだけに、ほぼプラスアルファが見込めないのはツラい。
(そういえば、前にお世話になった部署で仕事している派遣社員のメンバー、いつも待遇の文句が絶えなかったっけ?大事なことを、今、思い出したガーン。)

いつも思うが、派遣会社って、徐々に徐々にこういう情報を伝えてくる。仕事案内の段階では絶対に言わない。必ずどっちとも取れる言い方をする。そして、見学当日になって「さも当然」のようにこちらに伝えてくる。
で、企業さまの説明が一通り終わった後、こちらが検討する時間もほどんどないまま「どうします?やりますよね?」みたいな話のたたみかけをしてくる。
今回は「やってみなくちゃ大変かどうかもわからないじゃないですか!嫌だったら辞めればいいんだから。」みたいな言い方をされたのが、こちらとしてはなんだか嫌な感じだった。

たぶん、人気のない仕事なのだろう。
人気のある仕事だったら応募者が殺到して、こちらがやりたいといってもメールで速攻、お断りされる。
今、登録している派遣会社は登録者数に対して案件数は半分しかないのは、ネットにも載っている。
つまりは、やっぱり、あんまり待遇のよくない仕事なのだ。・・・くすん。

私はどうもディベートが弱い。言い負かされるタイプである。
派遣会社もそれは承知。「貴方は自分をアピールするのが苦手なんですよね。」と言われたこともある。
普通に考えれば、苦手な部分を対応してもらうための派遣会社なのだけど、どうもそこを逆手に取られているような氣がしてならない。営業さんの横柄な対応には、いつも辟易する。

いつだったか、「派遣スタッフがいなくなったら、僕たちが困っちゃうんですから、派遣で仕事してくださいね。」とか平気な顔して言ってきた人もいた。そんなこと、言うか?普通。
(それでも派遣として仕事している私も私かもしれないが)

1ヶ月、さんざん断り攻撃を受け、自信喪失しかけたときにようやく「企業さまから要望が」という連絡が入り、見学に行ってみたらそれまで「聞いていなかった」情報をたたみかけてくる。
こういうことも、ヘタに逆らえば「だって、最初に聞かなかったのはあなたでしょ」みたいな言い方をされたりする。
それが嫌で、最初に細かく聞くと聞くで嫌がられる。
派遣会社ってけっこうわがままなんじゃないかと思うのは、私だけだろうか?

そんなこんないろんな対応をされ、わりと人情的な人間だと思っていた私自身も、ここにきてだいぶドライになってきている。
仕事は仕事でわりきってしまわないと、損をこうむる。キリがない。人のよさ(弱さ)につけこまれる。
そう思うことが続いた矢先に、「一緒に笑って泣いて仕事をしましょう」という企業さまの言葉は正直、重い。

メンバーの一員となり、泣いたり笑ったりすることも契約書にはない、隠れた「業務の一環」なんだろうか。
そういうことをあまり強要されても、感情というものは逆に引いてしまう部分があるので、私としては無理ない範囲で対応するしかないのだが。

なにはともあれ、再来週から仕事が始まることがきまりました。
何で引き受けたんだろう?
人生は、思うようにいかないものである。

今、登録している派遣会社の社長さんは「いいお仕事を紹介していただき、ありがとうございます!」と元気に笑顔で言ってもらうのが喜びだと、先日、テレビ出演の際におっしゃっていた。
ぜひ、そう言いたいのはこちらとしてもやまやまなのだが、それに至るまでの過程は長そうである。