こんにちは。
小さなアロマ教室
Aroma Craft Lab. dropです。
先日、本棚の整理をしていて、
しばらく読んでいなかった絵本が出てきました。
「ビロードのうさぎ」
これ、確か感動の名作だったはず・・・。
そういえば最初に読んだ時、すごく感激して泣いたっけ・・・。
でも、はて?どんな内容だったっけ?と思い、
片付けの途中で読み初め(←いつもこれをやっちゃって、いろんな物を広げっぱなしで日が暮れる・・・。
あるあるですね~)
あげく、またまた涙する・・・という結末。
とっても久しぶりですが、唐突に“本のこと”です。
ビロードでできたうさぎは、坊やのおもちゃの一つ。
ある日、坊やがいつも寝ているぬいぐるみがなくなって、
突然その代役の役割が回ってきたビロードのうさぎは、やがて坊やの宝物になります。
来る日も来る日も、2人は庭や森の中で遊ぶ時も、
もちろん眠りにつく時も内緒話をしながら一緒に眠ります。
布でできたビロードのうさぎは、だんだんと汚れてきますが、
坊やにとってビロードのうさぎは、まるで「ほんもののうさぎ」のようで、
絶対に大人たちには触らせないのでした。
そして、ビロードのうさぎもまた、自分は「ほんもののうさぎ」になったと思っていました。
そんな折、坊やが重い病気に倒れ、長いこと床に伏してしまいます。
ビロードのうさぎは大人たちに見つからないように、
ずいぶんと長い年月、そっと坊やの傍らに寄り添い見守り続けます。
ついには、坊やの病気は治り、坊やは海辺の家へ静養のため引っ越すことになります。
もちろん、海辺の家へはビロードのうさぎも一緒に行くものだとばかり思っていましたが、
坊やは海のことで頭がいっぱいで、ビロードのうさぎのことはすっかり忘れてしまっています。
しかも、坊やの部屋にあったものはすべて燃やすよう医師から指示されてしまうのです。
もちろん病に間ずっと一緒にいたビロードのうさぎも・・・。
こんなお別れがくるなんて、ビロードのうさぎは悲しくて悲しくて、
ほんものの涙をポロリと落とします。
すると・・・。とっても不思議なことが・・・。
と、ここまでで、結末は言えませんが~
涙がこぼれた後に何とも不思議なことが起こるのですが、
もしかすると、現実でもこんなことって本当に起こるのかも・・・と
思わせてくれるような、とってもやさしいお話です。
誰にでも、ビロードのうさぎと同じ、
いわゆる“ライナスの毛布”と呼ばれるものがあったと思います。
わたしも、かつて“アンちゃん”というお人形さんがどこへ行くのも一緒でした。
お風呂に一緒に入れてシャンプーしてあげたり、
(案の定、自慢のサラサラヘアがガビガビになり、櫛がまったく通らなくなりました)
お化粧をしてあげようと、母の口紅で顔をべったりと赤くしてあげたり、
油性のマジックでまつ毛を増やしてあげたり。
(案の定、母が慎重に除光液でキレイに拭き取ってくれて、白いキレイなお顔に戻りました)
でも、そんな風にどこへ行くのも一緒に過ごしたアンちゃんも、
わたしが思春期の頃になると、服も髪の毛も汚れてしまっていたし、
段ボールに入れられて押し入れの奥で過ごすようになっていったのですよね。
ただ、長いこと、どうしても捨てることができなくて、
アンちゃん以外のぬいぐるみも含め、段ボールいっぱいの人形を
お嫁に行く少し前に、お寺でお焚き上げしていただき、供養をしてもらいました。
段ボールの中のアンちゃんの顔を最後に見た時、
思わず涙がこぼれてしまいましたが、
この「ビロードのうさぎ」を読んだ時、まさのその思い出が蘇ってきました。
でも、最後の結末。
ビロードのうさぎと同じような不思議なことが起こっていたら、
わたしのアンちゃんも、今もどこかで幸せに暮らしているのかもしれないな・・・
と救われるような気持ちになります。
そんな風に、小さな頃の思い出を
温かい気持ちで懐古する時間をくれる「ビロードのうさぎ」。
大好きな絵本です。
やさしい気持ちになりたい時におススメです