こんにちは!
 

今回もインテリアスタイル(テイスト)についての解説です。
このシリーズでは一つのインテリアスタイル(テイスト)に絞って解説しています。

今回は「ミッドセンチュリーモダン」についてご紹介します。

最初に「ミッドセンチュリー」「ミッドセンチュリーモダン」の違いについて理解しておきましょう。


<ミッドセンチュリー と ミッドセンチュリーモダンの違い>
 

「ミッドセンチュリー」「ミッドセンチュリーモダン」は同じ意味で使われることが多いのですが、両者には微妙な違いがあります。


・歴史的背景
 

「ミッドセンチュリー」とは、20世紀中頃、つまり1930年代から1960年代、その時代に生まれた様々なデザイン運動やスタイルを指します。

 

一方、「ミッドセンチュリーモダン」は、ミッドセンチュリーの中で生まれたデザインムーブメントを特に指します。

・デザインの思想
 

「ミッドセンチュリー」は、20世紀半ばに流行したスタイルや影響をより幅広く取り入れたデザインです。

 

「アール・デコ」「スカンジナビア・デザイン」「バウハウス」「インターナショナル・スタイル」などのスタイルが含まれます。その時代に流行したデザインのムーブメントを集めたものです。

一方、「ミッドセンチュリーモダン」は、ミッドセンチュリー期に生まれた特定のデザインムーブメントを指します。


すっきりとしたライン、シンプルさ、機能性、自然とのつながりを重視するデザインです。ミッドセンチュリーモダンは、モダニズムの原則にスカンジナビアやバウハウスの要素を融合させたデザインであることが特徴です。

 



・美的特性
 

ミッドセンチュリーデザインは、さまざまなデザイン運動を含んでいるため、より幅広い美学を包含しています。

 

アール・デコのような華麗で装飾的なスタイルや、インターナショナル・スタイルのような流線型でミニマルなスタイルなどがこれにあたります。

 

ミッドセンチュリーデザインの美的特性は、参照する特定のスタイルやムーブメントによって異なる場合があります。


一方、「ミッドセンチュリーモダン」は、明確な美的特徴を備えています。

 

ミッドセンチュリーモダンは、すっきりとしたライン、有機的なフォルム、最小限の装飾、機能性を重視したデザインが特徴です。

 

天然素材、鮮やかな色彩、形と機能のバランスを大切にしています。

ミッドセンチュリーモダンデザインの美学は、時代を超えた魅力と象徴的な家具デザインでしばしば認識されています。

 

後ほど代表的な家具を詳しくご紹介します。

・影響力の範囲
 

「ミッドセンチュリー」デザインは、さまざまなデザイン運動やスタイルを包含しているため、より広い範囲に影響を及ぼしています。

 

20世紀半ばに様々な地域や文化圏で流行したデザインの傾向や影響を表しています。


「ミッドセンチュリーモダン」は、20世紀半ばに明確なデザイン運動として登場し、その時期の家具、建築、インテリアデザインに大きな影響を与えました。

 

ミッドセンチュリーモダンデザインの影響は、象徴的な家具のデザインや、現代のインテリアにおける継続的な人気など、今日でも見ることができますね。

つまり、「ミッドセンチュリー」は20世紀中頃の様々なデザインスタイルを指す言葉であり、「ミッドセンチュリーモダン」はその中で生まれたデザインムーブメントを指す言葉と言えそうです。


「ミッドセンチュリー」デザインは、様々なスタイルを含む広義の言葉であり、「ミッドセンチュリーモダン」デザインは、特定の美的特徴を持ち、家具やインテリアデザインに重点的に影響を与えていると言えますね。

以上。

長くなりましたが、「ミッドセンチュリーとミッドセンチュリーモダンの違い」について解説しました。
 

それでは「ミッドセンチュリーモダン」について詳しく解説していきます。

 



<ミッドセンチュリーモダンデザインの特徴>



出典:Pixabay

ミッドセンチュリーモダンは、スカンジナビアやバウハウスの要素を取り入れたモダニズムを特徴としています。

 

ミッドセンチュリーデザインは、クリーンなライン、シンプルさ、機能性、自然との結びつきを重視したデザインです。

 

それでは、ミッドセンチュリーモダンデザインの主な特徴を紹介します。

・クリーンなラインと有機的なフォルム
 

ミッドセンチュリーモダンデザインは、すっきりとしたラインで構成されていることで知られています。

家具や建築物は、シンプルで幾何学的な形が特徴です。また、有機的な曲線や滑らかな輪郭は、自然からインスピレーションを受け、人間が作ったものと環境との調和を求めるものでもあります。

・機能性と実用性
 

機能性は、ミッドセンチュリーモダンデザインの中核をなす原則です。

家具やその他のオブジェは、美的魅力を保ちながら、効率的に目的を果たすようにデザインされています。また、複数の機能を併せ持つものや、収納に工夫を凝らしたものなど、現代のライフスタイルの変化を反映しています。

・自然素材
 

ミッドセンチュリーモダンでは、天然素材を使用し、その温かみと美しさを強調します。チーク、ウォールナット、オークなどの広葉樹がその代表的な素材です。


広葉樹の木目や質感を生かすため、むき出しの状態で使用されることが多いようです。また、合板やプラスチック成型品などは、手頃な価格と汎用性の高さで人気を集めていますね。

・最小限の装飾
 

ミッドセンチュリーモダンは、過剰な装飾よりもシンプルなデザインを好みます。

装飾的な要素は最小限にとどめ、家具や建築のディテールが主役となるようなフォルムと機能を持たせています。また、装飾が施されている場合でも、控えめにするのが一般的です。

・大胆で対照的な色彩
 

ミッドセンチュリーモダンでは、色彩が重要な役割を担っています。


鮮やかで大胆な色と、対照的なニュートラルカラーがよく使われます。

白、グレー、黒などの中間色と、鮮やかなオレンジ、イエロー、グリーン、ブルーなどの配色が人気です。これらの色は、視覚的な面白さを加え、空間に活力を生み出します。


それでは、カラーコーディネートに関してポイントをご紹介します。


先述の内容と重複する箇所もありますが、ご興味ありましたらご覧ください。


<ミッドセンチュリーモダンデザインのカラーコーディネート>



出典:Pixabay

ミッドセンチュリーモダンのデザインにおいて、カラーコーディネートは空間に生命力と個性をもたらすダイナミックで表現力豊かな要素です。


ミッドセンチュリーモダンデザインでは、大胆でコントラストのあるカラースキームを採用し、空間に活気とエネルギーを与えています。

・鮮やかな色合い
 

視覚的に強いインパクトを与える鮮やかな色合いが多く採用されています。オレンジ、イエロー、グリーン、ブルーなど、大胆な色がよく使われます。

 

これらの色は、20世紀半ばの高揚感を反映し、楽観的な感覚を呼び起こすものです。

・対照的なニュートラルカラー
 

ミッドセンチュリーモダンは、鮮やかな色彩と同時に、対照的なニュートラルカラーも取り入れています。

白、グレー、黒といった色彩が背景となり、鮮やかな色彩を際立たせています。

 

大胆な色使いと対照的なニュートラルカラーの組み合わせは、ダイナミックで視覚的に魅力のある印象を与えるので是非取り入れてみましょう。

・ポップ オブ カラー


中間色の多い空間の中にポップな色を取り入れることも多いですね。


例えば、鮮やかな赤のアクセントチェアや鮮やかな色のアートワークがフォーカルポイントとなり、空間にユーモアと遊び心を与えてくれます。

フォーカルポイントに関しての記事はこちらからどうぞ↓↓↓


・アースカラー
 

鮮やかな色が主役ですが、バランスを取るためにアースカラーも取り入れることが少なくありません。


ブラウン、テラコッタ、マスタードイエローなど、温かみのあるアースカラーをアクセントカラーとして使用することで、全体の色調に深みを与えることができます。

 

温かい雰囲気や落ち着いた雰囲気が好きな方はアースカラーを取り入れましょう。

・ナチュラルトーンの木

出典:Pixabay

 

天然木の使用もミッドセンチュリーモダンデザインに欠かせない要素で、カラーコーディネートに大きな影響を与えます。

 

チーク材、ウォールナット材、オーク材などの温かみのある色調の家具は、全体のカラースキームに寄与しています。


天然木の色調は鮮やかな色彩を引き立てるニュートラルなベースとして機能し、空間に温かみを与えてくれます。

・カラーブロッキング
 

カラーブロッキングは、ミッドセンチュリーモダンデザインでよく使われる手法です。

 

対照的な色を大きな面積で使い、グラフィカルな効果を生み出します。家具の張り地や壁の塗装、幾何学模様のラグやカーテンなどにも見られる手法です。

・モノクローム スキーム
 

ミッドセンチュリーモダンは鮮やかな色使いで知られていますが、単色の配色も可能です。


単色使いは、ブルーやグレーの濃淡など、1つの色のバリエーションに着目したものです。これにより、シンプルでエレガントなデザインでありながら、調和と落ち着きを生み出すことができます。

・柄の使用
 

ミッドセンチュリーモダンでは、特にテキスタイルや壁紙で柄が重要な役割を果たします。


幾何学模様、抽象的なデザイン、原子からインスピレーションを得たモチーフなどがよく使われています。

これらの柄は、鮮やかな色と対照的な色の組み合わせが多く、視覚的な面白さを加え、ミッドセンチュリーモダン全体の美観を高めています。

・オープンフロアプラン
 

ミッドセンチュリーモダンのデザインは、オープンなフロアプランを採用し、異なるリビングエリア間のシームレスな流れを作り出しています。


壁は最小限に抑えるか、なくすことで、開放的で風通しの良い空間を作り出し、周囲の環境とのつながりを促進します。

 

また、大きな窓やスライドガラスにすることで、自然光を取り込み、屋内と屋外の境界を曖昧にするのが理想的です。


近年の新築住宅などはLDKのシームレスな空間がよく見られますので、ミッドセンチュリーモダンと相性が良いと言えるでしょう。

・象徴的な家具デザイン
 

ミッドセンチュリーモダンは、時代を超えて愛される象徴的な家具デザインで知られています。


「チャールズ&レイ・イームズ」「アルネ・ヤコブセン」「エーロ・サーリネン」など、影響力のあるデザイナーが革新的で時代を超えた作品を生み出しました。

 

ご存知の方も多いと思いますが、「イームズラウンジチェア」、ミース・ファン・デル・ローエの「バルセロナチェア」アルネ・ヤコブセンの「エッグチェア」などが代表的な例ですね。

ここでは代表的な家具をご紹介します。



 

 

 

出典:

https://hermanmiller.co.jp/
https://shopping.yamagiwa.co.jp/
https://www.fritzhansen.com/
https://www.knolljapan.com/
https://www.carlhansen.com/
https://store.vitra.co.jp/
https://www.sempre.jp/
https://www.cassina-ixc.jp/
https://kuhon.store/
https://www.conranshop.jp/
https://www.casestudynagoya.jp/
https://hld-os.com/
https://metrocs.jp/

これらの家具を数点取り入れるだけでミッドセンチュリーの雰囲気を味わうことは出来るでしょう。

またミッドセンチュリーモダンの家具はリプロダクト製品がありますので、デザインの雰囲気を味わうだけなら安価な値段で入手できることも魅力の一つと言えそうです。

 

もちろん拘るのであれば正規品を購入した方が良いでしょう。やはり細かい部分の作りは当然ですが段違いです。

・ミッドセンチュリーモダンアクセント
 

ミッドセンチュリーモダンには、家具だけでなく、さまざまなアクセントとなる小物類があります。
 

幾何学模様のラグ、抽象画、有機的な形状の陶器やガラスのオブジェ、洗練された照明器具、原子をイメージした時計などです。


これらのアクセントアイテムは、空間に個性と風格を添えてくれます。

ここではその一部をご紹介します。



 

出典:

https://store.vitra.co.jp/
https://openers.jp/
https://www.sempre.jp/
https://www.hermanmiller.com/
https://www.webo-kobe.com/
https://www.designerskagu.jp/

ミッドセンチュリーモダンを象徴するこれらのアイテムは、あらゆる空間に芸術性、個性を加え、ミッドセンチュリーモダンというデザインムーブメントのエッセンスを体現しています。


ミッドセンチュリーモダンデザインは、現代のライフスタイルに違和感なく溶け込む、時代を超えた洗練された雰囲気を求める人々に人気がありますね。


こうしたアイテムを取り入れることで、より一層ミッドセンチュリーモダンの空間が完成されていくので、拘って取り入れるのも良いでしょう。



いかがでしたか?


今回は「ミッドセンチュリーモダン」についてご紹介しました。

この記事が少しでもお役に立てばとても嬉しいです。
 

最後までご覧頂き有難うございます。