5.05 NY
5月のニューヨークは肌寒く、ワンドロップレゲエというよりは、Miles Devisがよく似合う
探しものなんてないのに、わざわざ探しものを作って外に出かける理由を作る
全く不思議だ.. まず探しものを探さないといけない。
ふと立ち寄ったEast Villaggeにあるレコードショップ..
中にいる人種が様々で、客がすでに置かれているレコードのようだ
Rockのセクションに間違われて置かれ、肩身を狭そうにしているGregory Isaccs..
R&Bのコーナーに堂々といるMaxi Priest...
そこで見つけた1枚のLPを試聴する..
名も知らぬアーティストが歌うブルースソングに心地の良いヴィンテージオルガン音.
名は知らないが、すごくいいアルバムだ..
すると、横に並んで試聴していた黒人のおじさんが話しかけてきた。
「Excuse me . Are you going to buy it? 」
そのレコード買うの?
正直買うつもりはなかったので
買わないよ... と答えた。
「譲ってもらえないかな? そのレコードを僕はずっと探していたんだよ。」
どうぞどうぞ、とレコードプレイヤーからレコードをなおして渡す
「本当にありがとう... 」 と言い、確実に今から買うであろうレコードを試聴用レコードプレイヤーに置き、嬉しそうな顔をして聴いている
隣で明らかに探しものが見つかった人を見てると、こっちまで気分が晴れる
何枚かのレコードの清算を済ませ外へ出て帰ろうとすると後ろから
Hey my friend ! とさっきのおじさんが話しかけくる
「どこから来たんだい?」
あー、ジャパンジャパン
「こっちに住んでるのかい? レコードは買い付けで日本で売るのかな?」
レコードは自分用だし、ブルックリンにいるよ、今回は1週間だけだけど
「そうか、ブルックリンか.. 僕は昔ブルックリンに住んでいたよ。」
そうなんだ、で . おじさんはどこに住んでる?
「僕は今はミッドタウンに住んでるよ」
えー、ミッドタウンか...羨ましい!
いつか住んでみたいよ...
「住んでみたいか...」
誰でも憧れの場所だと思うよ。
長く生きてりゃわかるけどね、Houseってのはただ鉄と木で出来たものなんだよ、でもHomeってのは愛で作るものなんだ.. だから住む場所なんてこれっぽっちも関係ない..
見てみろ、マンハッタンの高級な家に住んでる人よりも、ブルックリンやハーレムの人達の方が笑ってるだろ..
確かに.. でもやっぱり夢の街だと思うな!
おじさん音楽好きなんやね?
「あー大好きさ... 音楽はMy Lifeさ」
おじさんは最後に言った
どこの国にも、どこの街にも良い音楽ってのは必ずある..
ただ、それと同じぐらい良い音楽は眠ってるんだ
必ず眠ってる
それを僕達みたいな連中が起こしてあげないといけないんだよ!
だから僕はレコードショップが大好きさ
インターネットが便利になった時代で、人はそれが全てだと思ってるだろう? それは大間違いさ...特に音楽はな!
インターネットでは音楽の40%も伝わってないのさ..
Keep Diggin ! 探し続けよう
勝手にいい事を言うだけ言って帰ってしまい、名前も聞けなかった。
ただ、探しものは見つかった....かな!