総合型地域スポーツクラブは、単にスポーツを楽しむだけではなく、活動を通じて地域が抱える様々な問題を解決することが大きなミッションとして課されていますが、そのためには様々な課題を運営委員会の議題として上げることができる人材を多方面から登用する必要があります。

 

成功しているクラブでは、市のスポーツ推進委員のほかに学校やPTA、子供会、高齢者クラブ、商工会、スポーツ協会など多方面から人材を集めています。これだと課題解決のみならず、様々な事業を円滑に進めることも可能になります。例えば学校の施設を使ってイベントする場合、学校の代表が運営委員会に入っていれば話は早いですし、商工会の代表が入っていれば市内のお店とタイアップした事業をする場合に活躍してくれるでしょう。

 

一方、当クラブはどうかと言うと、立ち上げた時点では運営委員会にあたる理事会のメンバー全員がスポーツ推進委員でした。それもやる気がある委員を登用したのではなく、完全な充て職なので、まったくやる気がない人も多数でした。

 

なぜこのような組織になったのか?原因はいくつか考えられます。

 

まず、設立を主導した教育委員会事務局にまったくやる気がなかったこと。県からの押し付けで、とりあえずペーパークラブを作れば良いというのが目的だったので、スポーツ推進委員を適当に充てておけとなったのでしょう。

 

スポーツ推進委員にも問題があったと思います。スポーツ推進委員には年間かなりの研修予算が執行されています。全国あるいは地方レベルでの研修大会が開催され、その中で総合型地域スポーツクラブがテーマになったことも少なくなかったはずです。また、設立の2年ほど前からクラブ設立準備委員会が組織され、そこでも研修が行われてきました。ですので、スポーツ推進委員たちが総合型地域スポーツクラブがどうあるべきか知らなかったは通用しないのです。

 

え?スポーツ推進委員は非常勤で、ふだんは別の仕事をもっているのだからそこまで求めるのは酷だ、ですと?

 

だったらなぜスポーツ推進委員を引き受けたの?って話ですよ。平成23年に制定されたスポーツ基本法を見ても、スポーツ推進委員は単なる指導者ではなく地域スポーツの担い手としての役割が重要であると明記されているじゃないですか。

 

どうなん?