7月下旬に腹痛+下痢になり、

検便の結果クロストリジウムディフィシルが

検出されたため個室隔離となった。

 

4月に入院してICUで二週間、

小児病棟に移って個室に二週間。

5月に男の子四人部屋に移って

約三か月。

最初の1~2週間は

廊下側でしんどかったけど

明るい光が差し込む

少し広い窓際に移動してからは

それなりに快適に過ごしていた。

 

大部屋は隣の窓際の中学生男子と

長男以外の2床は短期入院の子が

出たり入ったりのため

お隣のお母さんとは仲良くなっていた。

中学生のお兄ちゃんも長男もシャイで、

二人ともあまり出歩けなかったため

子ども同士交流していたわけではないが

中学生のお兄ちゃんは子ども好きみたいで

長男のことを好意的にみてくれていた。

カーテン越しではあるが

好意や敵意は伝わるもんだ。

 

この男子部屋は基本的に静かな病室だった。

お兄ちゃんはイヤホンでTVかDVDか動画。

長男はイヤホンせずにTVかDVD。

音量は自分たちに

聞こえる範囲で限りなく小さくしている。

ドライブヘッドごっこも

小さめの声で楽しんでいた。

短期入院の子たちも同じような感じ。

21時の消灯になれば

静かになってみんな早くに寝ていた。

 

個室になるのは素直に嬉しい。

周りを気にせずに済む。

でも一旦出ればまた同じ場所に戻れるとは

限らないし、すぐに窓際が取れるわけでもない。

このあと長男は病室を転々とすることになるが

大部屋はこの男子部屋が最高だった。

 

この大部屋を出てからは、

引っ越し話がくると必ず

この部屋の窓際が空いてるかチェックした。

中学生の親子は私たちが退院するまで

この部屋の窓際にいたけど

私たちがその横に戻ることはできなかった。

 

 

さて、またしてもやってきた

クロストリジウム・ディフィシル。

苦いバンコマイシンを日に4回飲み

洗濯物はハイターに漬けて色褪せてゆく。

でも症状は前回よりもだいぶマシで

ひどい下痢程度だったのでほっとした。

やっぱり個室は快適だ。

周りに気兼ねせずに遊べるし

長男が少々声が大きくなろうと

注意しなくてもいい、気が楽だ。

 

個室に引っ越して一週間で

またしても引っ越しの話がきた。

今度はシャワー付きの別の個室に

引っ越してくれないかというもの。

シャワー付き、断る理由がない。

そしてシャワー個室に移って10日ほどして

大部屋に戻されることになった。

もといた部屋は当分空かないらしい。

他も窓際は空いてなかったけど

もといた大部屋の隣の女子部屋なら

1~2週間で窓側に移れるとのことで

そこへ引っ越しとなった。

 

そこでカルチャーショックを受ける。

男子部屋と女子部屋で

こんなに違うとは~

 

そこは小学生女子が占める部屋。

女の子たちはとても仲が良く、

窓際同士カーテンを開け放し

楽しくおしゃべり。

そこはまるで病気を忘れるような

明るくにぎやかな空間。

病室でも工夫して毎日を楽しんでいる

彼女たちはとても輝いていた。

カーテン閉め切ってるこっちは

申し訳ない気持ちになった。

 

長男は大人しい子だ。

人と関わるのも結構苦手。

母と二人でこそこそ遊んでいたいのだ。

きゃっきゃとやっている女子に比べ

男子の生活は地味なもんだ。

病室の中心で男女の差を

しみじみと噛みしめた。

 

そして私もこの地味な生活が板についてた。

いきなり眩いばかりのキラキラとした

女子部屋に放り込まれ戸惑うばかりで

あの男子部屋を懐かしんだ。



↑女子にもてあそばれる長男


女の子たちよ、構ってくれてありがとう。