「絶対内定」
就活本の中でも群を抜いた人気を誇る一冊。
聞けばすでに20年ほどのロングセラーらしく、自己研究ブームの生みの親とのこと。
せっかくだから読んでみた。
面白い。確かに面白い。
書いてることは至極まっとうなことだ。
「確かに企業に受かるのは、そういう人間だろう」と納得させられる。
だが、この本が人気を博している理由は、そこにはない。
なぜなら、そんな「まっとうなこと」はどこの本にも転がっている。
誰だって、自分の本を売るため、必死に書いているのだから当然だ。
この本の最大の武器は「熱量」だろう。
熱い。著者がとにかく熱いのである。
ひと昔前に流行った(この表現は不適切とは思うが)予備校の先生さながらである。
自分を全力で応援してくれる。
この人についていけば安心だ。
こんな大人になりたい!
いつの時代も、若者は熱量に弱いのである。
有り余るエネルギーを燻らせ、(本来存在しない)無限の可能性を妄信する。
コンプレックスを引きずりながら、世の中を狭いものさしで批判する。
そして、カリスマを求める。
父の代わりに、憧れるに足る大きな存在を。
母の代わりに、間違いを指摘してくれる優しさを。
「良い就活本」だけど、「聖書」にしちゃいけない。
著者も言ってる通り、人生の喜びは単一じゃない。
親との関係がすべてじゃない。名誉がすべてじゃない。
本当の自分の幸せのビジョンを、他人からの影響で固めちゃいけない。
山奥でひっそりと農業をしながら暮らす幸せがあることを忘れないこと。
名誉というのは、自分を不幸にすることの多い価値基準であることも忘れない。
世の中にはいろいろな人がいて良い。