これまで、MEDDIC、SPIN話法、BANT、FFS理論、EQと、営業マンに必要な知識/スキルを論じてきた。

 

 

 

 

表現の違いはあれ究極の選択基準は「顧客にとって損か得か」これに尽きるだろう。

 

あなたの顧客は、、、

・(成果なんかなくて良いから)仕事を早く終えたい

・(誰か代わりに、もしくはお手伝いしてもらって)楽をしたい

・(成果を出して)昇進に繋げたい

・(ルール通り進めればいいだけだから)面倒な事をやりたくない

・(なにか貰えるとか)楽しみ(がある方がいい)

・(相見積が欲しいだけだから)そんなに急いでいない

・(困ったときにあなたは何をしてくれますか?)会社のルールを曲げてくれますか?

・(カスタマーファーストなら)私の役に立って下さい

 

と思っているのだ。

 

これらすべて「損をせず得をしたい」これは人間であるあなたの顧客が深層心理に常に持つ感情である。

 

本当に、正直に、隠すところなく"顧客ファースト"を考えるならば、彼らの真のニーズはカッコ内で表現された言葉なのだろう。

 

 

ある有名企業のIT部長に言われた言葉が忘れられない。

 

「お前はいつも顧客ファーストって言ってるが、何が顧客ファーストだ!本当に我々の事を考えているのであれば、見積を出すな。」

 

営業マンにとって見積を出さない、なんて選択肢はない。真意を知りたく、ヒートアップしないよう注意しながら伺うと次の様に教えてくれた。

 

「お前が出す見積が、うちの会社を潰す可能性がある。シャドウITが増えて、本来かけるべきでは無いコストを負担する事になっている訳だ。だから俺(顧客)の事をファーストに考えているなら、見積依頼があったら提出せず、そのIT機器が本当にこの企業に必要かどうかをまず営業側で見極めて、それでも必要なら俺に購入を相談するよう促すべきだろう。」

 

このロジックは流石に驚いた訳だが、言い得て妙、その後のわたしの営業ロジックに大きな影響を与え方向転換を行う事になったきっかけであった。

 

閑話休題、これら顧客の表にでない感情や事情を営業マンは素早く察知して、ほぼゼロ距離かつリアルタイムに顧客に接し、これまで学んできた法則や理論を駆使し、自分にとって有利となる戦闘シーンを作り上げ、その場を支配していくのである。

 

営業マンも感情を持つ人間である。困ったり、迷ったりするし、不安を感じる事もあると思うが、そんな時に思い出してほしい事は、究極の選択は損得のみ、という事なのである。

 

Life is a Great Journey