前回は「コスト」意識について書きました。
「コスト」への意識の前に今回書くテーマを先に考えていたほうが、良いかもしれません。
今回書く内容が結果的に「コスト」への意識につながっていくからです。
さて、PG、SEの方々は常日頃どんなことを考えて開発を行っているのでしょう?
大きく2つに分かれると思います。
一つは受動タイプの人。
このタイプの人は与えられた仕事を淡々とこなし、目の前にある仕様を黙々とプログラム、設計へと起こします。
言い方を変えれば、決められたことを型どおりにする人。
別に、悪くはないです。
「丸」のものを作れ、といったら四角でも三角でもなく、キッチリと「丸」のものをつくる。
PLからすれば、うまくレールを引けば、その通りに走ってくれます。
ただ、問題と考えられるのは、応用的に思考をめぐらすことはない、ということです。
ちょっとでも曖昧な仕様があれば(ホントはそんな仕様書自体がダメですが・・)手が止まる。
さらには、怒り出したり。。
まぁ、一種のプロ意識ともとれますが、プロジェクトはチーム作業で行っているので、こういう存在の人へは、状況によってそれなりの仕事しか回ってこなくなります。
もう一つは能動タイプの人。
このタイプの人は当然与えられた仕事はキッチリとこなしますが、常に疑問や、問題意識を抱え、仕様がもつ意味を考えて作業をする人です。
提案型ともいえるでしょうか。。
仕様を変えるということは問題外ですが、仕様がもつ意味を深く理解していれば、プログラムにみてとれます。
・パフォーマンス良い
⇒無駄なロジックがなく、最小行数かつ高速に動く。
・メンテナンス性が高い
⇒仕様変更が入っても、大手術に及ばずに、最小限の変更で済む。
・バグが少ない
⇒想定外のパラメータが入ってきても、プログラムはストップ、暴走せずに、エラー処理が正常に実行される。
当然ながら、言語やSQLへの深い知識は不可欠です。
SQLのたった一行の等号でパフォーマンスが30秒変わったりすることもあるのですから。。
仕様に不備や矛盾があれば、自分の意見をもって設計者やリーダーに相談する。
プログラミングという行為についても、常に高効率な組み方を意識している。
そうでない人のプログラムは得てして、スパゲッティになっていることもあります。
常に、そのように考えている人は、結果的に生産性が高いと評価されます。
ダメなプログラムを書けば、いかに早くプログラムを書き上げたとしても、それから及ぼす低効率=コスト増をまねきます。
上記の3点がクリアできていないと、後からのコスト超過となって表れてきます。
総体的に生産性がよい、というのは、時間をかけるところにはかけ、そうでないところへは必要最小限の時間で作業を行い、テスト段階を経てもなお、想定内の工数で収まる、ということでしょう。
特に難しいことを言っているのではありません。
「プロジェクトリーダ」になる、というミッションをもっている人なら、PGやSEの段階から、自分の行う作業の意味を考え、理解し行動することで、「プロジェクトリーダ」へのステップが近くなります。
「プロジェクトリーダ」は手を動かすことよりも思考をめぐらす時間の方が多いこともあります。「プロジェクトリーダ」となったときにそのベースができているのか、培われてきたのか、で大きくプロジェクトの成功要因にかかわってきます。
幸か不幸か、このように考えられるようになるのは、自分のおかれる環境によることもあります。いい上司、先輩にめぐり合えれば、その人のマネをしていれば、いつしか自分のモノになります。
しかし、そうでない環境に置かれた人は、そんな思考を抱く前に、ダメ社員になったり、会社を辞めてしまったりと脱落してしまう可能性もあります。(いい会社を求めて転職していくのは、発展へ向かっての行動ですから、悪いことではないです)
運次第、というところもありますが、もし、PGやSEの方がこの記事を目にしたら、明日から意識の改革を実践してもらえたらと思います。
もし、実践しても何も変わらなければ、その会社が自分にフィットしていないのでしょう。。見切りをつけられるのなら転職することをオススメします。IT業界の企業は大中小、腐るほどありますから。。
繰り返しになりますが、言い換えれば、PGやSEの段階から、自分の行う作業の意味を考え、理解し行動することは、コストへの結果につながります。
必要以上のコストを生み出さない=プロジェクトの利益につながります。
この意識があるかないかで、「プロジェクトリーダー」となったときの思考力の差となります。
なぜなら、プロジェクトが利益を上げるかどうかの鍵を握るのは「プロジェクトリーダー」の舵取りの能力によるのですから。。
下積み時代で培った思考力は「プロジェクトリーダー」という肩書きの下、ようやく大きく生かせる場なのです。
雑談ですが・・
会社をやめる少し前に、リーダー教育を社内で展開したいと考えていました。
いかに早く(若くして)「意識改革」を起こせるかで、社員の成長スピードを速めたかったからです。
それが結果的に会社の利益につながることだ、というビジョンを持っていました。
しかしながら、自身の事情でいたしかたなく退職してしまったので、この場を使って、やりたいと思っていたことを綴っています。
考えていることが、頭の中で散乱していて整理できていない面もるのですが、文字に起こすことによって、整理し、伝えていけたらと思います。
第四回は以上です。