仕事していた頃、

夢があった。

大きな夢だと思っていた。

限られた人しか果たせない夢。

そう思ってた。




いつも生き馬の目を抜くような

競争の毎日。

いち早く駆け抜けても

次の朝には戦いが始まる。

そんな日々。




罹患して、

2年経っても復職できず、

退職することになった。



仕事を離れ、

当然、夢からも

離れることになった。




あまりに突然、

人生のブレーキをかけられて

つんのめる。

カラーだった日常が

白黒に変わるほど

景色が変わる。





人生には、人には

果たすべき役割があるって

いうけれど。

それはずっと仕事の夢だと

思ってた。

私にしか果たせない夢。

それを無くしてちょっと

途方にくれる。








それから、

復帰どころか酸素もつけて、

人の助けを借りて

暮らすようになった。









高みと思い込んでた場所から

降りてくると、

自分の小ささがよくわかる。

うつむくと、

自分の足元が見えてくる。

代わりだって幾らでもいる。

無くした夢。








それでもまだ、役割はあるんかな。
 
私は何ができるんやろ。

私は何がしたいんやろ。




考えても答えは見つからない。







この間、誰かに言葉を贈った。

「支えになった」と言われ、

嬉しかった。

ここに居てもいい気がした。




私を支えてくれる人達も

嬉しいんかな。

支えることは喜びに

繋がるのかな。

目の前の大切な人達に

私が力になれるのなら、

ここは私の居場所になる。








この世界の片隅で

誰かに少し、支えてもらうのが

今の私の役割。

何でも自分でできた頃とは

随分変わった。




でも、私は何も

無くしてなんかいない。

時が過ぎてやっとわかった。








大切なものは全て

私の近くに、ある。

私の内側にある。



一番、大切なのは

私があなたを想うこと。








そうやって想いあって、

いつしか広がって、

この世界が少しだけ

優しくなっていくといいな。





それが今の夢。

前よりも、大きな夢。





にほんブログ村 病気ブログ 肺がんへ
にほんブログ村