フランスの裁判所は金曜日、暴力により黒人男性に回復不可能な直腸の損傷を負わせたとして、3人の警察官に進行猶予付き懲役刑を命じた次第。

 

裁判所のスケッチ

有罪判決を受けた警察官3人(写真左)

被害者のルアカ氏(写真右の青色ジャケット)

 

被害者のテオ・ルアカ氏は2017年、パリ郊外はオルネー=ス―=ボワ(Aulnay-sous-Bois)にて職務質問を受けた際、警察官に警棒で肛門を強く殴られ、肛門に失禁障害を負う羽目に。

 

有罪判決に対し、被害者の弁護士が「勝利」と喜ぶ一方、被害者を支援する活動家らは、「警察官らは軽い刑罰で逃れた」とし、厳重な懲役刑を求めるところ。

 

9時間の審議を経たのち、ルアカ氏を警棒で殴ったマーク=アントワーヌ・カステラン(34歳)に12か月の執行猶予付き懲役刑、および警察官として5年間、武器の携帯、および路上での職務を禁ずる判決が。

 

そして、手錠を掛けられ路上に押さえつけられたルアカ氏を、膝蹴りし拳骨で殴った上にペッパー・スプレーを吹き付けた2人の同僚、ジェレミー・デュラン(42歳)とトニー・オシャール(31歳)に3か月の執行猶予付き懲役判決、および警察官として2年間、武器の携帯、および路上での職務を禁ずる判決が下されたところ。

 

検察はカステランに3年、デュランに6か月、オシャールに3か月の執行猶予付き懲役刑を求めていたものの、裁判所の判決はそれよりも軽く。

 

ルアカ氏を支援する活動家らはこの判決を、「人を傷つけても大丈夫、有罪になっても執行猶予を付けてもらえるから」というメッセージを、警察官らに送っているようなもの、と激怒。

 

カステランの警棒による打撃は非常に強く、ルアカ氏は肛門周辺の筋肉に深さ10㎝の傷を負ったほど。しかし裁判所は、「永久的な損傷をもたらす意図的な暴力」に対する容疑を却下。

 

かつて、サッカー選手になる夢を持っていたルアカ氏(29歳)は現在、便失禁の障害により1日のほとんどを自室で過ごしているということ。

 

ルアカ氏は当初、警棒による強姦を訴えたものの、 カステランは「足を殴ったつもりだった」と容疑を否認。検察は、「強姦を裏付ける、十分な証拠がなかった」と説明。

 

この事件は、一部始終をとらえた監視カメラの映像がネット上に流出し、メディアが物議を醸した次第。警察の監視機関は、カステランが警棒で殴った時、ルアカ氏は警察官らに対し身体的な暴力行為は行っていなかったと発表。

 

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警察も体を張って頑張っている、のはわかりますが。3人で1人をこんな目に遭わせるなんて、まるでリンチのよう。

 

犯罪を犯した警察官らは執行猶予付きで、やがて自由の身に。でも被害者は、身体障害ゆえに一生を台無しにされたわけでして。罪の深さを認識して欲しいですね。

 

 

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