今年3月、フランスにおける月別の1日平均出生数が、およそ30年ぶりに最低水準に到達。

 

 

国立統計経済研究所(INSEE)の調べによると、今年3月の1日平均出生数は1,816人と、1月の1,825人、2月の1,876人から、さらに減少。

 

Nombre de naissances en 2023 − Les naissances par mois en 2021, 2022 et 2023 | Insee

 

3月の数字は、月別調査データの記録が始まった1994年以来、最低値を記録。昨年3月と比べても、7%減少。

 

唯一の例外は、2021年1月の1,742人。これは2020年3月にコロナ・パンデミックによる、第1回目の全土封鎖が施行されたためと推測。

 

総合的に見て、過去10年間で出生数は全国的に減少。それが顕著に表れているのは、オクシタニー地域圏(10.6%減少)と、イル=ド=フランス地域圏(10.2%減少)。これに対し、最も減少が少なかったのは、ブルターニュ地域圏(2.2%減少)。

 

すでに昨年の出生数は年間723,000人と、前年より19,000人減少して、1946年以来の最低値を記録。

 

これは出産する女性の数が減少していることと、出生率が減少していることが原因とINSEEは見るところ。

 

出生率は2015年より2020年まで連続して減少し、2022年の出生率は女性1人当たり1.80人。それ以前は、2006年から2014年まで、女性1人当たり2人を超えていた次第。

 

ではなぜ、女性は子供を産まなくなったか?

 

女性が産まない、または出産を遅らせる決断をするのは、エコ不安(eco-anxiety:環境危機への不安)とキャリア重視が大きな要因である、と調査員は分析。

 

理想の出生率は2.0であるものの、「このままでは、1.67に下がる日も間近である」と、国立人口学研究所(Institut national d'études démographiques)の調査員は語るところ。

 

しかし「これが一時的な現象であるか、このまま減少が続くものであるか、まだ定かではない」とも。「1994年から2010年までは上昇期、2010年以来下降期を迎えているので、現在はその過渡期かもしれない」と。

 

Natalité – Fécondité − Tableaux de l'économie française | Insee

 

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エコ不安というのは、ちょっと注目すべき要因ですね。

 

 

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