いやね、みんな知ってるかと思ったんです。

でもどうするのか知らない人おおいみたいで。。。って当たり前か!

知らなくていいなら知りたくないですよね。

でもまあ、参考までに、イギリスで離婚ってどうやるのか、皆様の疑問にお答えしようと思います!←誰も求めていないかもしれないが

 

日本では離婚届に双方がサインすれば離婚が成立してしまいますが、イギリスでは、裁判所を通して手続きしないといけません。

離婚したいと言うことに双方が合意し、争わなければ、裁判などに出向く必要はありませんが、イギリスあるあるで裁判所の手続きに半年くらいかかります。なので、離婚したいと思ってもそれなりに時間がかかります。

さらに、相手側が離婚したくなかったりすると、裁判所に出向いて争ったりする必要があるようで、そうするともっと時間がかかりますし、弁護士などの費用もかかります。

ですから気がついたらどんどんお金がなくなって泥沼。。。というケースもありがちなのがイギリスの離婚。

まあ離婚ってどこでもそう言うものかもしれませんけどね。

 

イギリスでは、どちらかが裁判所に離婚の申し立て(petition)をしなくてはなりません。離婚申し立てをした方がpetitioner、それを受ける方がrespondantと呼ばれます。そしてpetitionerが裁判所に550ポンドを払って申し立てし(2019年9月現在)、respondantは裁判所から送られてくる書類にサインして裁判所に送り返します。

 

このとき用紙に何を書いていいかわからなかったりすると、弁護士を頼みますが、弁護士もピンキリで、一番高いのは時間給でお金を請求されるケース。でもお互いが合意してたりして、裁判で争う予定はないけれど、自分で何を書いていいかわからないとか、もしくは直接元配偶者とやりとりしたくないなどの理由で弁護士を頼むこともあります。その場合は「divorce package」と言う形でパッケージ料金でやってくれる弁護士がお手軽です。

ちなみにうちのあたりでは、petitionerのパッケージが500-750ポンドから。私はrespondantだったので安くて、確か300ポンド払いました。

ちなみにお金がない場合は、Citizens Advice Bureauなどでも用紙の埋め方を教えてくれるそうです。

 

イギリスでは離婚に理由がなくては申し立てができません。

理由として認められているものは以下の通りです。

1. Adultery (浮気)

浮気をした場合は、浮気の相手の名前と住所も必要です。

2. Unreasonable Behaviour

家庭内暴力(肉体的および精神的なダメージ)、生活費未支払い、ドラッグ・アル中などがこれに当たります。

3. Disertion for 2 years

パートナーが家を出て行って2年以上

4. Seperation for 2 years

パートナーと合意の上2年以上別居

5. Seperation for 5 years

上記の3、4の場合、離婚するにはまだ相手側のサインが必要ですが、パートナーと5年以上別居すると、相手が反対しても&相手が行方不明になったままサインできなくても、自分からの申し立てのみで勝手に離婚が成立します。

 

既に離婚した友達と言っていましたが、今のイギリスの法律だと、どちらかが相手を咎めるような形にならなければ離婚が申し立てできないんですよね。

実際にパートナーシップがうまくいかなくなる時って、一方的にどちらかが悪くてそうなるものではないので、ちょっと旧時代的な法律でもあるし、いずれこの法律は変わっていくのではないかと思いますが、今のところ、このような状況になっています。

 

イギリスで離婚したいほとんどのカップルは、2年別居して離婚します。

そうすれば理由がなくても離婚できるから。

ただ、私が今回知ったことは、Unreasonable Behaviourとして適当な理由をでっちあげれば、双方が合意さえすれば、特に理由を問われずに明日にでも離婚が申請できるってことです。

 

うちの旦那の理由なんてひどいもんでしたよ。

私が旦那をバカにする、彼の意見を無視する、とかって2行ぐらい書いてあって、私の弁護士が「これはひどいわね。。。こんな理由で離婚を申し立てする人、聞いたことないわ」と同情してくれました。笑

でも私としては、彼から離婚が申し立てられてきたので、裁判所の費用は払わなくて済んだし、まあ万々歳って感じでしょうか。なので、あえて争わずに離婚することにしました。

 

ちなみに、愛がなくなったとか、そう言う理由でも離婚ができるそうです。笑

だから、2年別居とかって必ずしもしなくても大丈夫みたいですよ。

 

それからこのUnreasonable Behaviourに例えば心身の暴力と書いたりすると、普通はもめると思います。加害者だとしても、家庭内暴力だと指をさされたくないですから。その場合、医者に行った日付とか、症状だとかを書いておく必要がありますので、もし今モラハラや家庭内暴力の被害にあっている方がいたら、今から、被害を受けたら医者か警察にマメに連絡し、証拠を取っておくことをぜひお勧めします。

 

それから、離婚のプロセスと、財産分与のプロセスは、別で裁判所に申し立てをしなくてはなりません。つまり、離婚するときの財産分与がもめた場合、裁判所が自動的に介入してくれるわけではないので、財産分与を望む方が裁判所に別途250ポンド払って、申し立てをするのです。

 

でもってイギリスでは、普通、財産は半分半分になります。

結婚前に買った家でも、長く一緒に住んでたりした場合、その家の価値の半分は配偶者に持って行かれますし、貯金や年金なども折半になります。イギリスの法律は女性に甘いと言われるのはそう言うことらしいです。

ただし!!

これは、ソコソコの年月を結婚して一緒に住んでいた場合。私たちは結婚して1年半、同居して1年2ヶ月でしたから、これだけ短い結婚生活だと「結婚生活の中でお互いの財産形成に貢献した可能性はあまりない」と言うことで、お互いの名義の財産だけ受け取って円満に別れなさい、と言う方向になるようです。では「ソコソコ」ってどのくらいか?結婚&同居して5年から6年以上経つと、離婚するときに折半になるようですので、離婚を考えている方、十分ご注意ください。

 

それから親権。日本と違ってイギリスは共同親権が普通です。子どもが一方の親にしか会わないと言うことは、普通あり得ません。

子どもが母親と一緒に住むケースの方が一般的ではありますが、週のうち1日とか2日とかは父親のところに行く、週末は両親の家を行き来すると言う形が多いです。ですから離婚しても2人である程度助け合って子供を育てていくことになります。

これは、結婚しないで事実婚で子供を持った場合でも同じです。

そしてまた誰が何日子供を手元に置くか。。。と言うのは、財産分与と並んで一番もめます。ですから、離婚するのはいいとしても、子供を巡って裁判になるケースも多いと思います。私の友達なんかは、離婚そのものよりも子供のスケジュールを巡って何千ポンドも弁護士費用に費やしたと言っていました。切ないです。。。

 

裁判所の方で手続きが済むと、Decree Nesiと言う用紙が送られてくるようです。これは裁判所の方で「離婚できない理由は何もないよ」と宣言するもので、これをもらってもまだ離婚ではない!

Decree Nisiをもらってから6週間と1日(笑)待って、Decree Absoluteと言う用紙をもう一度申請しなくてはなりません。このDecree Absoluteが離婚証明書で、再婚するにはこの紙がなくてはできません。

 

何なんでしょうね、このまどろっこしさ。離婚したいって言ってるやん!って感じなんですが、「もう一度よーく考えなさい、6週間くらい頭を冷やして」とかってことなんでしょうか。

やっぱり日本と比べると離婚に時間がかかるし、なかなか離婚させてくれないって印象があります。これはキリスト教の国だからでしょうかね。神聖な結婚を解消する前に、よーく考えなさいって言う仕組みになってるってことなんでしょうか。

ちなみに、Decree Nisiをもらって12ヶ月以上Decree Absoluteを申請しないと、申請時に裁判所にあれこれ言われるらしいです。本当に離婚する気があったのか?みたいな感じなんでしょうかねえ。

 

と、言うわけです。

 

イギリスで離婚、それなりに大変ですが、無茶なことは何もないので、お互いが合意していればちゃんとできます。モラハラみたいな状態で、向こうがしつこいのにこちらが逃げたい、みたいな場合は、弁護士とか通してやらないと大変かもしれないですね。

あと面白いのは、イギリスで離婚のPetitionをするには、相手方の住所を知らないといけないんです。今回うちの夫は完全に行方不明になってしまいましたので(今もどこにいるか知らない)、私からは離婚の申請はできないなあと思っていたんですが、弁護士とか裁判所とかって、すごいらしいですよ。名前とIDがあれば、いろんなルートを使って居場所を突き止めてしまうらしいです。どこかで聞いた話では、シンガポールか何かにいたところを突き止められて、離婚のPetitionが送られたとかなんとか。。。だから私からでも離婚はできたでしょうが、向こうから申し立てしてくれれば私はお金を払わなくていいので、めでたしめでたしでした。

 

離婚について詳しいことは、このサイトみてくださいね。

https://www.gov.uk/divorce