気をつけた方がいいシリーズ、第2弾。

第1弾はこちらで。

 

思い出すとですね、私、アイルランドでは色々やらかしてます。。。

日本を住んで最初に住んだ外国がアイルランドなんで、まだ日本人らしさが抜けないというか。危ないと思っても嫌だと言えなかったりしたんですね。今思うと信じられないですけどね。

 

あれはアイルランドにやってきて、多分1ヶ月目くらいの、まだ日が浅いときだったと思います。私は東クレアのフィークルという小さな村のユースホステルに滞在していました。その時まだアイルランドに決まった住所のなかった私は、ユースホステルに長期滞在しつつ、パブを回って音楽を聴いたり、のどかな村を散歩したりしながら、文字通り羽を伸ばしていました。

 

フィークルってこう言うところです。

 

私が歩いていると、その辺のおじいちゃんから、声をかけられました。このおじいちゃん、こんな田舎なのになぜか背広を着て、何やら派手なネクタイを締めている。年の頃は70歳過ぎくらいでしょうか。

「どこから来たの?」

「日本です」

「おおそうか!今何をしているの?」

「何をって。。。散歩です〜」

「そうか!じゃあぜひうちにお茶しに来ないか?」

 

お茶ですか?!うちに、ですか??

とは思ったのですけど、まあこんなおじいちゃんですから。。。きっとこれは、家族も含めて私に会いたいと言っているのかもしれない。おばあちゃんとか、孫とかいるのかもしれない。日本のことが知りたいのかもしれない。。。よね?やっぱり断ったら失礼?

 

そのおじいちゃんの家は、本当にすぐそこ。一本しかないフィークルの通りを歩いて、村の外まで出て、5分くらい歩いたところにありました。ペンキを塗った1階建ての小さな小屋。いわゆる「バンガロー」と言う家です。

 

家に入ると。。。

家族がお出迎えしてくれるかと思いきや、しーん。。。としている。

 

家族は出かけてるのかな?

 

さあさあ座りなさい!と言われて食卓に腰掛けると、なんか、置いてある皿とか、テーブルの上とかに、埃が積もってる。振り向いてカーテンを見ると、このレースのカーテンは何十年も洗ったことがないと思われ、床上から15cmくらい、真っ黒に色が変わっている。

 

…えーっと、これは。

多分このおじいちゃんは、一人暮らしですね?

 

この家に他に人がいないとわかった瞬間、おじいちゃんとは言え知らない男性と二人きりになったと言う居心地の悪さでいっぱいになり、背中でドアの位置を確認する私。

おじいちゃんはそんな私に気がついているのかいないのか、お茶に入れるお湯を沸かしはじめました。

 

私はとりあえず、気分を落ち着けようとトイレを借りたのだけど、そのトイレがまた。。。

真っ黒。。。叫び

 

トイレって掃除しないとあんなに真っ黒になるんだ。

知らなかった。

私は、この時以来、真剣にトイレは綺麗にしています。あの恐ろしい光景、一生忘れません。

 

食卓に戻ると、おじいちゃんがお茶を入れようとしていたのだけど、そのポットがまた。茶しぶで、内側がダークブラウンに変色していました。。。ティーカップも、いつ洗ったきりだろう?みたいな状態。こんなカップとポットで飲んだら、確実にお腹が痛くなるわ!!

 

青ざめた私は、ポットとカップを取り上げて流しへ。とりあえず水で流すだけでも!と思ったのだけど。。

 

そのシンクには、ハエが死んでました

 

7匹

 

泣きたくなるやら笑いたくなるやら。

さっさとお茶を飲んで帰りたかったので、無言でティーカップとティーポットをゆすぎ、お茶を入れて上の空で話をする私。何を話したか全然覚えていませんが、あの真っ黒いカーテンとハエの数だけははっきりと覚えています。

テスコで買ったスポンジケーキを切ると言ってましたが、もう食べるものは本当に遠慮して、そそくさと家を出たのですが、おでこからも背中からも冷や汗。。

 

悶々としながら歩いていたら、近くで、アイルランド人の友達カーメルにばったり会いました。「こんなところで何してるの〜!」とニコニコと声をかけてくれたカーメルに、「いや実はさ。。。おじいちゃんにお茶に誘われたんで行ったらさ、すごい汚い家で。。。」と話したら、カーメルは顔をこわばらせて「そのおじいちゃんって誰?」と。

そのおじいちゃんの名前を言うと、真剣な顔で(でもちょっと可笑しそうに)「xxxxからの誘いは、何があっても、死んでも受けちゃダメよ」と。どうやら、有名なスケベ親父だったらしいです。

 

と言うわけで、今回のじーちゃんは、無害でよかったけど。本当に私!気をつけなきゃダメじゃんね!!おじいちゃんだからっていい人とは限らない!

 

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その後アイルランドに数年住む中でわかったのですが、アイルランドって、年を取っても未婚の男女がとても多いのです。特に農村の男性で、お嫁さんをもらえないまま年を取った「バチェラー」がたくさんいます。

女性は農村にいても特に仕事がないので、ダブリンなどの都会に出て行くケースが多いのですが、そうすると、農村の後継ぎとして残った男性たちは、女性と全く出会えないまま年を取ってしまっていたりするんですね。

 

残念ながら、女性と全く出会う機会がないまま年を取ったバチェラーファーマーたちは、女性を引きつける魅力については全く無頓着な人が多い。飲食のマナー、身の回りの清潔さ、身だしなみなど、全く気を使わないまま60代、70代まで来ていて、仕事のないときはパブで飲む。そんなおじいちゃんたちは、かくしゃくとしたジェントルマンのイメージからはほど遠く。。。近くに座るとにおう人もいる滝汗

 

こう言うおじいちゃんたち、意外に「自分はまだまだ捨てたもんじゃない」と思ってる人も多くて、しかも最近はタイ人や中国人、フィリピン人と結婚するアイルランドの中高年の男性も多いから、アジア人の女性と見るとすかさず隣に座ってきたりするんです。私がアイリッシュパブにいると、隣に座って、さらに私の手を取ってずーっと撫でたりさすったりするおっさんもゲロー

 

最初はどうしたものか困って何も言えなかった私ですが、数ヶ月後には、さっと手を振り払って遠くに座るとか、色々と防衛ができるようになりました。でも日本人の女子留学生が来るたび、彼女たちがやっぱり困っているところを目撃したものです。

 

はっきり言わないと、行動に移さないと、空気は読んでくれないこのおっさんたち。ちゃんと自分で身を守る術を覚えないとダメなんですよね。手を握られた時、誰かに助けて欲しいな〜と思いながらキョロキョロしていても、周りの人は「彼女は気にしないタイプなんだな」って思うだけで、まさか我慢してるなんて思いませんしね。

 

一応、アイルランド人の名誉のために言うと、アイルランド人って本当に優しいし、年をとってる人も全員スケベおやじではなく(笑)、ジェントルマンもたくさんいます。ちゃんとその人柄を知って仲良くなれば、年の差を超えて、一生仲良くできる友達に出会えるかもしれません。でも、誰でもいい人だと思うのは、やっぱりNG。

 

地元の人に尊敬されてる人でも、外国人相手だと突然セクハラおやじに豹変したりします。地元の若い女の子に同じことをやったら許されないけど、旅行者にはOKだと思ってるんですね。断れない日本人は、本当にこう言う時損しますから、はっきりきっぱり断る、席を移る、睨む、などなど。ちゃんと自己防衛しましょう!

 

アイルランド人って本当にフレンドリーだし、優しいし、気さくだし、彼らと会話をするのは旅行の醍醐味の一つなんですが、日本人の優柔不断さで危ない目にあったりすると、せっかくの楽しい思い出も嫌な思い出に変わってしまいます。。。

私もかつてはそう言うこと何度もありましたが、強く&賢くならないとダメですね。

 

皆さんも、気をつけてね!!

 

あ、イギリスブログなのにアイルランドの話ばっかり書いちゃった。