あしあと | 魂のよろこぶ生きかた

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 やはぎのりか 矢作 典加 

海へ

裸足で

波の中

砂の上

気持ちいい

靴をぬいで

自由自在にあるく砂の上。

砂浜は

裸足であるくように

できてる、ね。

あぁ、気持ちよかった。

波も

砂も

潮風も

太陽も

鳥の声も

呼吸して

ここにある命を

感じる時間。

戻ってきたよ。

まっさらな

砂浜にあしあと

私があるくと

そのあとには

あしあと。

ひとは

自分のあしあとをみて

うまくあるけたか

だめだったか

なんてことを

気にするものだ。

靴をはいては

その足跡を比較する。

どの足跡が美しい?

どの足跡が強い?

なんてことを

したりもして。

あしあとは

あしあと。

あるいた

しるしなだけ

波にながされ

雨にあらわれる。

そのあとは

まっさらに。

そこに「水」という質が

なければ

砂の上には

あしあとさえ

のこらない

「水」は

こんな風にも

情報を記憶するのね

なんて思いながら。

さぁ

足跡をふりかえり

足跡を評価する

そんな時間は

もうおしまいにして。

まっすぐに

まがりくねって

おどりながら

とびながら

自由自在に

あるいていこう。

休みたくなったら

ここへ

もどっておいで。

裸足であるく

砂の上。

靴をぬいで

あるくだけ。

あなたにもどる時間。



ここにあるよ。