「ととさまの名は阿波の十郎兵衛、かかさまはお弓と申します」
この名台詞、幾年前にどこで聞いたか覚えてい居ませんが、未だに脳裏に焼き付いております。
ところが、1年ほど前に私が収集している昭和時代のスライドの中に「阿波の鳴門」というものがあり、その中で、父母を探して巡礼に出た稚児が冒頭の台詞を発しているのを見つけました。そこから人形浄瑠璃の節回しの一であることがわかりました。
去る11月25日、豊橋市民文化会館で吉田文楽定期公演で「寿式三番叟」「壺坂観音霊験記」と並んで「傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段」の公演があることを知り、見に行きました。
3人の黒子が1人の人形を一緒に操る。太夫が歌い、三味線が伴奏する。
遅巻きながら、奥の深い伝統芸能の世界が開けてきました。60歳の時からクラシックバレエの観賞を続けてきましたが、新たに趣味が1つ加わりました。