Life Collection

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様々な人生のターニングポイントを集めたブログ

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Ⅴ.現在

 2011年4月1日に大阪大学に復学した。僕は一年の除籍期間で、何か新しい知識や経験を得ることのできる刺激的な毎日に飢えていた。復学したら何事にもアグレッシブに取り組もうと決めていた。
 復学後は、社会の幸福を増やしたいという思いを、起業によって実現すべく、友人と日々取り組んでいる。
僕はいつも、自分の中で整理できないことには、がんばりきれない気ままな性分だ。でも自分の中で、やりたいことに繋がっていると実感できたことには直向きになれる。今は、刺激的で充実した毎日を送っている。
Ⅳ.大学除籍の一年間
1.大学除籍の経緯
2.一年間の就労
・ 東京へ行く
・一年間で得たもの




1.大学除籍の経緯

 大阪大学の4年時の初めごろ、母が、鬱にかかった。それまでずっとがんばり続けた母が、ついに疲れてしまったのだ。無気力になり、頻繁に泣く母を見るのは非常に辛かった。僕もだんだん精神的に参ってしまい、大学に通うことをやめた。また、自分の収入だけでは、家計とは別に、授業料も賄うことはできず、大学を2010年4月1日付けで除籍になった。
 除籍が決定した時には、強い無力感があった。
 でもどこかで「何とかなるはず。」とも思っていた。更に言えば、「どんな風になるかわからないけど、きっとこの一年は自分の大きな経験になるはず。」とも考えていた。それによって楽になれるし、「やってやろう!」という気持ちにもなれる。僕はいつもそんな風に考えてきた。
 周囲のだいたいの人が沿っているレールがあるとして、それとは違った道を行くことや、回り道をすることに、恐れや抵抗はあまり感じない。いつでも全ての経験は自分にとってプラスになる可能性を秘めていると思う。それを本当にプラスにできるかは、その経験を自分でどう消化するか次第だ。上手く消化できれば、経験は人の視野を広げ、新たな可能性に気づかせてくれ、そして何より他人に対して寛容にさせてくれる。そう考えればどんな困難もプラス思考で臨める。困難を困難と感じなくなる。


2.一年間の就労

 僕は学問の世界で自分の目標を叶えようと考えていたので、大学への復学を目指して、学費を貯めるために一年間を労働に費やした。半年間は大阪のショッピングモールで販売員をした。


・東京へ行く

 その後、彼女のもとを訪ねて東京へ行った。東京へ行くことを選んだ理由はいくつかある。単純に東京の方が賃金が高かったから、彼女と暮らすことが楽しそうだったから、自由に過ごせる一年の間に少しでも世界を広げたいと思ったこと、あともう一つは、その頃にはかなり元気になっていた母だが、僕が大学を除籍になって働く姿を見て、時折、自責の念を感じて辛そうな様子だったので、少し離れて暮らしてみるのが良いかも知れないと思ったこと、かな。
 東京での半年間は、携帯販売員と東京大学内のコンビニ店員として働いた。東大内での仕事を選んだのは、日々を大学で過ごすことで、大学へ戻るモチベーションとするためだ。東大生がどんな奴らか見てみたいというのもあった。(別に阪大と大して違いは無かった。)
 毎日を仕事に費やす中で、今まで見たことが無いものを沢山見れて、世界は広がった。
また、思っていた以上にお金も稼げて、今の自分でもこれだけの給料を得られるのか、とちょっとした自信になった。
 ただ、楽しいことばかりではなく、仕事はルーティンに思えることが多かったし、何のために今こんなことをしているのかと自分を見失いそうになったりもした。そんな時は東大で講義にもぐりこんでみたり、彼女に話したり、そうすることで自分の人生において、今の時期の持っている意味が再び明確になって、どうにか頑張れた。彼女や友人にはいつも沢山助けてもらった。


・一年間で得たもの

 東京で暮らす期間は、自分に今まで起こった色々な出来事をゆっくり見つめ直す機会ともなった。これは自分にとって本当に大きなことだった。
 この一年で、僕はやっと自分の中で過去の出来事を清算できたように思う。
 自分や自分の家族がしたことの意味、人にかけた迷惑の大きさ、債権者の方たちの今の生活、当時の自分が受けた辛さ、母や妹の辛さ、離れ離れになった父の人生、そういった様々なことを自分の中で客観視し、整理できたのがこの一年での成果だった。本当に長い時間がかかった。
 僕はいつも考えて考え抜いてから、答えを出すスタイルだ。だからエンジンがかかるのは遅い。でも自分の中で筋道立てて答えを出してしまえば、だいたいの事は上手くやれる。「なぜこれをしているか。」の明確な答えを自分の中で持つことが一番重要だと思う。
 そして「あとはもうやるだけだ。」という気持ちで大阪に戻った。
Ⅲ.大学受験合格

 今までの沢山の方々から受けた恩に報いる為の、小さいながらも自分にできる最適な手段が、大学合格だった。それまで周囲の人に助けられてばかりだった僕にできる初めての恩返しだと思うと、受験勉強にも熱が入った。
 受験の日は、家族や友人、先生など身の回りの全ての人に感謝の気持ちを持って試験に臨んだ。
 やるだけのことはやったので、試験には受かる気しかしていなかった。
 結果は無事合格。そして大阪大学に入学した。