幻の「花園」 | happy book life

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本と一緒に暮らす幸せ

教会の人から色鉛筆をもらった。
「ドンキで安売りしてたんですよ〜。500円ですよ!だからつい買っちゃったんですけど、使わないんでもらってください」

うん、500円で50色の色鉛筆セット、しかも可愛いスヌーピーのパッケージだったら、そりゃお買い得だよね!
でもさ、それを世では「安物買いの銭失い」と呼ぶんだよ。
ま、私は得したからそんな野暮なこと言いませんけどね。

ずらりと並んだ色鉛筆、美しい…。うっとり眺めているばかりで、もったいなくて使えません!

子どもの頃から絵を描くのは好きだった。わりに上手い方だったとも思う(自惚れ)。
でも小学生の時に自分の絵を笑われたことがトラウマになって、それ以来、特別「絵を描く」子ではなくなった。

しかし、最近「あなた絵が好きでしょ」とか「絵が上手かったじゃない」とちらほら言われるのだ。
何故だ?どうも解せない。
わたし、皆さんの前で何か描いたことありましたっけ?

よ〜く考えてみると、思い当たることがないわけでもない。
例えば教会のクリスマスのポスターの図案を描いたとか、友達に洋服を作ってもらう際に簡単なデザイン画を描いたとか、そんな程度である。
それでも「絵を描かない人」からすれば、私ごときでも「絵が上手い人」に分類されるらしい。

解せないと言えば、最近本当に謎なことがあった。
中学3年のクラス会でのこと。
我々、K埼中学3年3組は卒業文集を作ったそうだ。タイトルは「花園」。昭和感大爆発のこのセンス。一体誰の命名だよ!?
そして、なんとその表紙を私が描いたというのである。

いやいやいや、全っ然覚えてないよ?
そもそも、文集作ったことすら覚えてないよ?当然手元にないしさ。
装丁も文章も、思い出せないし!
実は小学校だったとか、中1の時だったとか、なんか皆の記憶が混乱してない?
クラスには絵が上手な男子I君がいたから、ひょっとしてその子が描いたんじゃない?

…と、色々反論してみたが、皆口を揃えて言う。
「いや、お前が描いた!」

え〜…、文集の表紙を任されるなんて、そこそこ名誉なことだよね?
なのにそれを忘れるなんてことある?しかも文集の存在ごと、まるっと記憶にないんだけど…。

いや、それ以前に、なぜ私が絵を描くはめになったのか。そのいきさつが気になる。
きっとクラスメイトの前で何か描いたりしてたんだろう。いったい何を描いてた?私?
アニメキャラか?サンリオキャラか?まさかオリジナルの少女漫画チックな女の子とか得意げに描いたりしてないよね…(大恥)。

ああ気になる!
気になるけど知りたくない!
「花園」の現物をもはや誰も持っていないことを願う!
15歳当時の自分の所業を知ってしまったら、きっと恥ずかしさで死ねると思う…。