生け花を習っている。
どうやらお稽古を始めたのは2020年で、すでに4年が経過したらしい。なのに、この有り様はいったいどうしたことか…。
いまだド素人の域を出ず、毎回花材を前にオロオロし、とりあえず活けてはみるものの「先生、もうどうしたらいいかわかりません」と半泣きで白旗をあげることはもはや恒例。

「でも、いいの。辞めないことに意義があるの。私はプロの劣等生になるの!」

…我ながら、意味が解らない…。

特に流派にはこだわらなかったが縁あって草月流に入門。
華道家カリヤザキさんの流派だ。

話は飛んで、何年か前に韓国に住む友人を訪ねた。
帰りの列車に乗るために、彼女は「この辺から乗ると乗り換えがあって不便だから、大きい駅まで送ってあげる」と言って車を出してくれた。
その時彼女が住んでいた郊外の町の名前はすっかり忘れてしまったけど、駅の名前はよく覚えている。
彼女が「ここはチョウォルっていう駅。漢字では「草月」って書くんだよ」と教えてくれた。韓国語の発音で「草」は「チョ」、「月」は「ウォル」だ。
私が「日本の生け花の流派みたいだね」と、応えたかどうかは、覚えていない。

あれから何年も経って突然「おお、草月駅!」と思い出した。
最近物忘れが激しくて、肝心なことは思い出せないのに、なぜこんなことばかり思い出す?しかも仕事中によ。集中して仕事せい、私。

もちろんこれは単なる偶然で、運命とか予言とか、大げさなことと絡めようとは思わない。でももしかしたら未来の出来事への前フリめいたことだったりして、とちょっと神秘的に考えるのも楽しいのである。(悪いことの前フリはいらんけど)