4月上旬に東京から友人が遊びに来た。

これで何人目だろう。

 

空港からのアクセスの良さ、美味しい食事、そして私とチャロの存在。

好条件が重なって、人気の目的地となっている。嬉しい。

 

今回は二泊三日のひとり旅ということで、3日間ともお供した。

観光もグルメもそこそこにというタイプで、こちらも力抜いておしゃべりをメインにゆったり過ごすことにした。

 

到着日はひどい雨。それも一日中振り続けたため、遅めのランチの後は我が家でゆっくり過ごした。東京ではなかったパターン。

知り合って初めてかもというくらいゆったりといろんなことについて話をすることができた。なんだか新鮮。

 

二日目は、ご本殿は工事中と言えど、仮殿も一見に値するという私の薦めで大宰府天満宮に行った。

 

私自身は仮殿は既に一度訪れていた。けれど、見てないアート作品もあるし、焼き立ての梅ヶ枝餅はいつでも歓迎。ということで、曇り空の中電車で大宰府へ。

 

ご本殿は、124年ぶりに大改修されることになり、去年の5月から約3年かけて装い新たになる予定だ。仮殿は3年間は御祈願などが行われる場所となる訳で、中々斬新で立派な佇まいとなっている。とりわけ屋根の上に広がる森には目を見張る。

二度目の今回は緑のみならず、鮮やかに咲く花々の色が美しい。季節ごとに訪れるのもいいかもしれない。



 

「道真公を慕う梅の木が一夜のうちに大宰府まで飛んできた飛梅伝説から着想を得て、鎮守の杜の豊かな自然が御本殿前に飛翔し、仮殿としての佇まいをつくり上げることがコンセプト」だったそうだ。「周囲の景観とも調和した、伝統を引き継ぎながら未来へと繋がるデザイン」なのだそう。(「 」部分は大宰府天満宮HPより抜粋)

 

3年後に本殿の改修が完了した暁には、仮殿はそのお役目を終え取り壊されることになる。しかし、屋根の上の木々は天神の杜へ移植されてその後もこの地に生き続けていくことになる。天神の杜、自然はこれからも永く続いていく。



境内に着くと、正式な装束の神職の方々と周りを囲む参拝者らしき人々。

何やら特別な神事が行われている様子。わからないままに参列に加わった。

後からわかったのだが、それは4月4日に執り行われる「厄晴れひょうたん焼納祭」なるものだった。

厄除祈願をする際に、願いごとを書いた紙を厄晴れひょうたんに納めるらしい。そのひょうたんを自宅の神棚にお祀りし、災厄を除き厄晴れを祈るのだそう。一年が終わり無事に厄が晴れたことに感謝して厄晴れひょうたんをお焚き上げする神事だとのこと。

偶然に遭遇した焼納祭。この日、この時間帯でなければ出合えなかった。

小さな幸運。

 

 

 

仮殿でお詣りした後、目に留まったものがあった。

くすかきの案内板。

 


『「くすかき」は太宰府天満宮の樟の杜を舞台に千年続くことを目指す参加型アートプロジェクト。毎年、春になると落ちてくる大量の樟の落ち葉を掻いて、かつて存在した千年樟を皆で協働し描き出します。樟の落ち葉掻きをすることで、人と人、人と土地の記憶をつなぎ、千年という時間に想いを馳せる朝を一年に一度、皆で迎えます。』(くすかきHPより)

 

アーティスト五十嵐靖晃氏の発案で、千年続いてきた太宰府天満宮とかつてそこにあった千年樟を思い描き、これからの千年に続けようと2010年にスタートしたプロジェクトだそうだ。会期中(3月23日から4月13日)朝6時半から大人も子どもも集まってくすかきをしているらしい。

 


西洋人の男性が境内を歩き回っていて、観光客らしくない雰囲気で不思議に思っていた。

たまたま居合わせた氏子の方が、彼はポルトガルから来た人で、神社と地域の関わりについて研究しに天満宮に留学しているオックスフォードの学生だと教えてくれた。彼もくすかきに参加しているとのこと。中々興味深い研究だな〜。太宰府天満宮は地域との繋がりを大切にして、千年の歴史を持ち、これからの千年を意識して様々なことに取り組んでいるようなので、恰好の研究題材だろうと思う。


これからも機会あるごとに訪ねたい場所だな〜。