先日長野県安曇野市に行ってきた。

友人が運営する生活介護事業所を訪れるために。

 

NPO法人設立、事業所開所から早くも4周年。

最初から監事として関わってはいるが、日々の事業所の様子を垣間見る機会も直接職員さんたちや利用者さんたちに会う機会もないまま4年以上が経ってしまった。

 

監事と言っても、会計士の資格もなく、障がい者の方たちとの接点や福祉の世界の知識もほぼ皆無の状態で、名ばかり監事の印象は拭えない。

 

事業所Time warpは、モノづくりを中心とした作業場で、障がいを持つ人たちが創作するアートを世に広める活動を行っている。

 

 

 

 

NPO法人White Canvasが掲げているミッション:

国籍、性別、年齢、ハンディキャップを超えて ひとりひとりが生き甲斐を持って力を発揮し 社会の中で居場所を見つけていける場所を目指します。
​ものづくりや表現活動を中心にして そこで働く人、関わる人みんなが ​喜びを持って働く場所となりますように。

 

2日間という短い時間ではあったけど、職員さんたちや利用者さんたちの一日の流れを見学することができた。年齢も、性別も、障がいの性質も異なる様々な個性を持った人たちが4-5名通ってきて、作業場で割と自由にモノづくりにいそしむ。

 

作業場といっても、古民家に少し手を加えて使っているため、とてもアットホームな空間になっている。冬は炬燵を囲んで作業していたり、一人の方が落ち着くという理由で個室で作業していたりする。

 

朝、職員さんたちの車で迎えに行ってみんなが集まると、挨拶、当日のスケジュール確認、ラジオ体操をみんなで行ってから一日が始まる。午前中の作業が一段落すると、担当の職員さんによる暖かい手料理をお昼にみんなでいただく。私も仲間に入れてもらった。お野菜が豊富でやさしい味で美味しかった。午後は、またそれぞれに作業に戻る。15時半の終了時間にはみんなで集まってお別れの挨拶をして、再び職員さんたちが車で送っていく。

 

 

一見話し方も様子も普通に見える人、車椅子で手足の自由があまり効かない人、人懐こくて話し好きだけど言ってることがわかりにくい人、常に声を発して何か独り言を言っている人、物静かにただ座って何か書いている人、などなど、いろんな人たちが通っている。それぞれに、得意な作業や出来ることが異なる。必要とされるケアが異なる。そんな中、職員さんたちはごく普通に会話ややりとりをしながら、ほんわかした時間が過ぎていく。そんな印象だった。

 

 

週に一度の職員さんたちのミーティングにも参加させてもらった。半年に一度くらいの頻度で相談に乗ってもらっている精神科医の先生との会議に備えて、アドバイスをもらいたい利用者さんの情報を共有しあっていた。その内容が、心と身体のケア全般にわたるもので、とてもホリスティックなアプローチであることを知った。心と身体は密接に繋がっているのだから当たり前なことなのだけど、医療的な知識もある程度兼ね備えケアの仕方も心得ておく必要があることを認識する機会となった。

 

3月初旬といえどもまだ寒い長野。到着前日に雪が降ってかなり積もっていた。

最低温度は0度前後、最高温度も一桁台。なのに、風がないせいかそこまで寒く感じない。雪化粧の連山が美しく、あらためて自然の良さを感じる。

 

今回泊まったのは、三重県から移住してきた同年代のご夫妻が利益度外視で営むご自宅の倉庫を改装したお部屋。シャワーはないので、お風呂は近くの温泉へ。ベッド用に湯たんぽを毎晩用意してくれた、とても親切でフレンドリーなご夫妻。朝Time Warpまで送ってくださるついでに近くにある目赤不動尊(東京の目白・目黒不動尊と一緒に三大不動尊として知られている)や賀茂神社に案内までしてくださった。

 

 

いろんな人との出会いや新しい気づきの多い旅だった。この機会に訪れて本当に良かった。事業所を運営してここまでやってきた友人の頑張りを肌で感じれたことは感慨深い経験だった。これからも私にできることをしながら応援したいと思う。