福岡市の外郭団体が行っている外国籍の居住者を支援するボランティア活動に参加している。主に通訳・翻訳ボランティアである。英語、中国語、韓国語が主流である。認知度の問題か、利用価値が認められていないのか、供給(ボランティア数)に対して需要(支援依頼者数)が極端に少なく、中々案件が回ってこない。

今年初めにようやく回ってきたケースの依頼人は、自治体その他から送られてくる日本語資料の理解と対応に困っている方で、1年間という期限で必要に応じてお手伝いすることになった。しかし、相談があったのは一度だけ。どんなことでも困ったことがあったら気軽に相談してくださいと伝えてみたものの、一度の相談以来沈黙が続いている。相談内容は解決してあげれたし、その間のコミュニケーションもスムーズだったので対応に不備があったせいとは思いたくないけれど。。。

 

個人ベースのお手伝い以外にも、在留資格の相談に応じる行政書士による無料相談会の通訳などもある。事前に在留資格について勉強会+実践ワークショップを行った上で3ヶ月に一度割り振られてくる。ようやく11月に一度お手伝いする予定になっている。

 

実際の通訳活動には中々繋がらないけれど、いろいろと研修は行ってくれる。先日は、「福岡市の防災・減災について学ぶ」という基礎研修が行われたので、いざという時のために避難所などで通訳・翻訳のボランティアをするにあたり身に着けておくとよい基礎知識を学ぶために参加してきた。そもそも避難所を利用する必要に迫られるような自然災害に遭遇したことがないため、基本的な知識も経験もないので、よい機会だと思ったのである。

 

私も含め10数名のボランティアが参加していた。定員30名くらいだったと思うが、あまり人気がないようである。平日(月曜日の昼間)ということもあったのだろう。

 

まずは、福岡市危機管理課の担当者から防災に関して押さえておくべきポイントについて説明があった。自助・共助・公助の中の特に自助の部分について、把握・認識しておくべき情報やその入手の方法などについて資料とともに話があった。ハザードマップ、避難場所や避難施設、避難時に確認すべきこと、持参すべきもの、その他気をつけるべきことなど。基本的な内容だが、再認識したものや準備できていないものなど、気づきに繋がる内容だった。

 

30分ほどの説明のあとはHUG。博多あん・あんリーダー会の方たち主催で避難所運営ゲームを1時間半くらいかけて行った。


『博多あん・あんリーダー会は「自助」「共助」の原則のもと、福岡市主催の防災学習課程「博多あん・あん塾」を終了した「博多あん・あんリーダー」のネットワークです。会員相互のネットワークを活かしながら、修得した知識・技術を研鑽するとともに、地域に密着した防災に関する啓発活動を行うなど、「地域の防災力向上」を目指し日々活動しています。』(HPより抜粋。)


いろんな団体がいろんな活動をしてるものだなぁと認識を新たにしている昨今である。

 

避難所の運営は主に地域の自治会によって行われるものらしい。

まったく認識していなかった。

そこで、研修では参加者それぞれがいざとなったら自主的に動けるように、避難所の運営を支援できるようにとの主旨で、いきなりゲームをすることに。

避難所である小学校の体育館に既に100名ほどの避難者が押しかけている状況で、まずは避難者を受け入れて居場所を割り振って、避難物資を受け取って配布して、その他ボランティアやメディアの要請に応えて。。。ということをグループで話し合いながら行うというもの。

 

過去50年近く、ずっと海外または東京で暮らしていて、地域に密着した活動をしたことも関心を持ったこともない。集合住宅で隣は何をする人ぞ状態で共助とはほど遠い暮らしを続けてきた。

福岡に戻った今こそ、福岡市民としての意識に目覚めた感はあるが、相変わらず集合住宅に暮らし、隣近所との関わりはない。

 

何をどうすればいいのかわからない。というより、様々な状態の避難者(高齢者、障碍者、妊婦、乳幼児、病人、ペットなどを含む)を前にあれこれ考えすぎて判断に時間がかかると共に頭が混乱する。

予備知識があまりにもなさすぎるという事実に気づく。

 

具体的な避難所の運営についてゲーム自体から学んだことがあるかというとそうではない。だけど、自分の無知に気づくとともに勉強しなきゃと思うにはいたった。

いろいろ福岡市の防災ページその他検索してみたが、まずは情報が探しにくい、わかりにくい、本当に知りたいことにはたどり着けない。私の検索力のなさか、情報源の貧しさか、多分両方。

 

防災ではないが、仕事がら緊急対応などは行ってきた方だと思うが、問題の性質が異なるとこうも戸惑うものか。私は、実体験や失敗を通して学ばないと中々身につかないタイプなので、これまで災害・避難経験がなく、被災地でのボランティア経験もない身としては、運営判断を行うことに関してはかなり役立たずであると思って間違いない。

 

ペットは飼育者の責任であると同時に一緒に避難はできても避難所の中で同居はできないことも知った。ペット用の餌や水分その他も避難時の持ち物に加えておくことだって、明確に認識できていなかった。

 

今回、いろんなことに気づけて問題意識を持てたことが一番の成果だったと思う。