ひと月ほど前、久しぶり(何十年かぶり)にメジャーアーティストのライブコンサートに行った。

友人たちが、わざわざ東京からMISIAのコンサートを観るために私の住む福岡に来てくれたのだ。そして、みんなで一緒にマリンメッセにライブ観賞に行ってきた。誘ってくれて感謝。

グルメ女子の旅だったので、2泊3日の間に美味しいものを堪能した。地元のよそ者である私よりよほど詳しい(徹底したサーチと情報収集力)彼女たちのおかげで、美味しいものに巡り合い、少し物知りになった。その話はまたの機会に。

話をコンサートに戻す。MISIAの歌唱力とパワーに圧倒されることを期待していた。もちろん圧巻だった。けれど、期待とは違っていた。そもそもメジャーなライブコンサートのトレンドなど全くわかってなくて、具体的なイメージがあったわけではない。彼女の歌唱力と同じくらいの、またはそれ以上のインパクトだったのはプロダクション全体のあまりにも煌びやかな演出だった。衣装、照明、バックダンサー、その他諸々、言葉では言い尽くせない燦めきと音響の渦に圧倒された。

個人的にはシンプルなライフスタイルを目指して、なるべく余分なものを削って身軽になろうと心がけている。コンサートの世界とは真逆。
正直なところ、MISIAの歌をじっくりとしっとりと聴きたかった。それだけの歌唱力とメッセージ性とパワーがあると思うから。

それだと、多くのファンは、特にコンサート慣れしているファンは、物足りなく感じるのだろうか。MISIA自身もあのような演出を欲しているのだろうか。コロナで我慢と自粛を強要された人々にとっては様々な形の祭やフェスティバルにおける熱狂的な盛り上がりが必要なのか。

コンサートについてあれこれ言える立場ではないはないし、MISIAのパフォーマンスは楽しんだが、なんとなくモヤモヤする違和感が残ったのも否めない。


(photos by M. Nakagawa)