【横浜市】大山街道 | ぼっちあるき

ぼっちあるき

歩きながら考えてみた

市ヶ尾横穴古墳群から、一駅先の江田にある庚申塔を目指します。

 

 

遺跡公園の横にある階段です。古墳が急斜面にあることがよく分かりますね。まずはここを上って、大山街道へ出ます。大山街道はあちこちにありますが、今の246(厚木街道)沿いの道は律令時代に足柄道と呼ばれた主要街道でした。江戸期には矢倉沢往還と呼ばれ、東海道の脇往還の役割を果たしていました。

 

 

横浜市のマンホールです。ベイブリッジがデザインされています。元町公園(中区)へ行けばカラーバージョンもあるようです。

 

矢倉沢往還は大山講が盛んになった頃から参詣者の利用が多くなり、いつしか大山街道と呼ばれるようになりました。宝暦期には年間20万人が大山を目指したと言います。江戸の人口が100万人の頃ですから、今で換算すると200万人の登山者ということになります。大山参りは一大ブームだったんですね。

 

 

街道が東急田園都市線と並走します。線路の向こうは厚木街道(R246)です。赤坂門を起点とする大山街道(矢倉沢往還)の主な宿場は、三軒茶屋・二子・溝口・荏田・長津田と続きます。今の東急の停車駅と同じですね。荏田の駅名は江田ですが、命名当時は「荏」が当用漢字ではなかったので江田になっています。(※当地の豪族江田氏からの命名説もあり)

 

 

おや?パンダがいる。これはちょっとスルーできないですね。1匹で寂しそうです。

 

 

なんだろう?マンション併設の公園だったのかな。この傷みっぷりは酷いですね。近くのマンションの郵便受の表札を見てみましたが、廃墟のような感じもするし、入居者のいる部屋もあるような気もします。すぐ隣の空き地は造成中だったので、ここもいずれ取り壊しになるんでしょうか。

 

 

自転車置き場も、壊れた自転車が1台放置されているだけのようです。右肩上がりで人口が増え続けてきた横浜市ですが、2021年には減少に転じています。それでも366万人という東京(973万人/23区)に次ぐ人口ではありますが、都内がそうであるように、これから空き家が増えていくかもしれません。

 

ちなみに大阪市は約270万人、名古屋市は約230万人の人口です。通信技術の発達により働き方に変革が訪れつつある今、住みやすさが重視され、今後地方への移住も進んでいくかもしれません。大都市は行動範囲の狭い高齢者の割合が高まる傾向にあり、人口だけでは都市の活力は計れなくなっています。

 

いきなり山奥の田舎暮らしってハードルが高いですけど、人口20万人位の都市が住みやすいと言われてますよね。日本だと中核市になる街です。鳥取(18万)や松江(20万)、甲府(18万)、山形(24万)、福井(25万)といった県庁所在地が該当します。

 

もっと少ない、例えば福岡県糸島市(9.6万人)は、イギリスの情報誌MONOCLE(モノクル)で、ボルト(ポルトガル)、ルーヴェン(ベルギー)に次いで、輝く小さな街(Brightlights, small city)の第3位に選ばれています。人口が多ければいいってもんでもなく、ライフスタイルにも依りますよね。

 

先月、池田町(2,600人/福井県)の「暮らしの七か条」が大きな話題になりましたが、それなりの人口規模がないと、生活の利便性は著しく劣ります。ハードルの高い田舎暮らしを求めるなら、自給自足の覚悟と濃密なコミュニティであることを認識する必要はあるでしょう。

 

個人的には富士(24万/静岡県)とかいいなーと思っています。毎日富士山見れるし(単純な動機)。後は、雪に耐えられるか分からないけど金沢(46万)とか。府中(26万/東京都)とか大宮(134万/さいたま市)もいいけど、今とあまり変わり映えしないかもしれない。

 

っと、野晒しのパンダを見て色々考え過ぎました。先へ進みましょう。続きは次回に。それではまた!

 

P.S.

3月になりました。陰暦では新年から3番目の月を弥生と言いますが、陽暦は陰暦の約1か月遅れなので、まだまだ如月(衣更着)な季節ではあります。弥生は「いやおい」からの音便で、「弥」は「ますます」を意味します。弥栄(いやさか)の「弥」と同じ使い方で、「ますます(草木が)生い茂る」頃が弥生の季節ということになります。童謡の「さくらさくら」に「♪やよいのそらは」という歌詞がありますが、陽暦だと4月の空ですね。陰暦での月の呼び名の中で、「月」が付かないのは弥生と師走だけです。逆に言うと、他の10か月は「〇月」なのですが、皆さん、全部言えますか?意外と難問ですよね。仮に言えたとしても、「なんで梅雨の季節が水無月なの?」なんて聞かれたら、答えに窮するかもしれません。もちろん、「知らなくても生きていける」のですが、そこがまさに新奇探索性の分かれ目かと思います。こんなブログを読んでくれている皆さんは、気になってしょうがないはずです。ググってみて下さいw