本郷薬師から、本郷通り(中山道)を北へ向かって歩いています。
東大の赤門にやって来ました。加賀藩十三代藩主である前田斉泰(なりやす)の正室となった、徳川家斉の娘溶姫の為に造られた御守殿の門です。
御守殿は、三位以上の大名(前田斉泰は正二位権中納言)が将軍家から妻を迎えた場合に造られるものです。御守殿門としての赤門は、現存する唯一のもので、国指定重要文化財となっています。
赤門の向かいにある法真寺。
コンビニの横にある参道なので、人目に付きにくいからか、或いはコンビニなら灰皿があると思ったのに無いからか、いずれにしても、お寺の参道で喫煙する人がいるのは嘆かわしいことです。
文京一葉会館。後年「桜木の宿」と呼び、幼少期を懐かしんだ樋口一葉。その家が、この近くにありました。
萩の舎(はぎのや)で学んでいた頃でしょうか。思わず「ドキッ」とする、リアルで可愛いブロンズ像。
隣には庚申塔が二基並んでいます。
一葉の小説「ゆく雲」にも登場する腰衣観音。下半身の疾病や安産にご利益がある観音様です。
こちらはまさに、この地に住んでいた頃の姿でしょう。「まだあげ初めし前髪の…」という詩が浮かんできます。
ガラスケースに保存されている子安地蔵。弘法大師の直作と伝えられています。
「奇跡の14ヶ月」という短い創作活動の後、24歳でこの世を去った一葉。肺結核で病床に伏し、幼少期を過ごしたこの地を懐かしんだ彼女を想うと、人の命の儚さに息が詰まります。
次回は、春日の方へ向かって歩きます。それではまた!