今思えば最初からおかしかった。

オフィスは綺麗だったが
必要最低限しか物がなかった。

社員は男性しかいなかったから
こんなもんなのかも。
と思った。

今時お給料は手渡し、
給料明細は領収書一枚、
締めたらタイムカードはシュレッダー
辞めた人の履歴書も即シュレッダー。

社長は30歳くらいに見えた。
若くて社長の人もいるが
この社長は知性が全くない。

黒髮でスーツを着ているけど
昔ヤンキーだった雰囲気だった。

怒りの沸点が低くキレやすい。

そんな人が大きな金額の商品を扱う
会社の社長?

どこか普通じゃないと思った。



ただバイト仲間は
まともな会社に雇ってもらえない同士
傷の舐め合いの関係がラクだった。

少し居心地が良かった。


けど時給も安いし
やりたい仕事でもない。

やりたい仕事だったとしても
この会社で長く働けるとは
思えなかった。

早くちゃんとした会社に
行かなくては…

私が働かないと家族共倒れなのに。


あの時はこんな底辺で
クソみたいな人生を生きる為に
生まれて来た事に失望していた。