鶏のせいろそば
京都・木津川市加茂町の、浄瑠璃寺の参道にさしかかる手前に
吉祥庵というそば屋があります
ここは、そうでんな~今から20年くらい前
確か・・・吉祥窯・・・て言うて、陶器を作って売っておりました
それが、何時ごろかは知りませんが、そば屋さんに転身しています
お昼の12時になりましたので、ここでお蕎麦でも呼ばれましょう
吉祥庵
ガラ、ガラ、ガラ、ガラ・・・・
「いらっしゃいませ・・・」
痩せたオッチャンがお出迎えしてくれました
土間一面に陶器のタイルが貼ってあります
テーブルも椅子も重厚・・・中々のしつらえです
おそらく、このオッチャン・・・昔は陶芸作家・・・今は土をこねる替りに、蕎麦をこねております
「どうぞ、お好きなところへお座りください」
言われて、窓辺のテーブルに座ると、その上に折りたたんだ紙があります
広げて見ますと、メニューになっております
「暖かいお蕎麦は、鶏のせいろそばだけです。それ以外は全部冷たいです」
ほんなら、鶏のせいろそばをください
「はい、分かりました」
あっ!それから・・・これください
と、メニューを指、さしました
「あ~、小海老のかき揚げですね」
鶏のせいろそば 1200円
湯気を立てる鶏汁と小海老のかき揚げを引き連れて
痩せたオッチャンが打ったお蕎麦が出てまいりました
鶏汁
鶏汁に、側にあった、山椒を思いっきり振って入れて・・・
小海老のかき揚げ 500円
箸をつけたら、たちまちボロ、ボロと崩れそうなくらい微妙に固まっております
小海老のから揚げ・・・
そば・・・
さあ、食べよ・・・
細い、細いお蕎麦です
鶏汁に、チャポンと浸けて・・・
思うようにはならない、人生のほろ苦さがするんです
これも・・・また良し
元陶芸作家が作ったお蕎麦
なんて、繊細な味なんや
陶芸だけでは、食っていけない
思うようにはならない、人生のほろ苦さがするんです
これも・・・また良し