お隣に94歳のおばあちゃんが住んでいる。

耳が遠いので、テレビの音量が凄い。

窓を閉めていても聞こえてくる。

一日中、大音量。







一度、ボリュームを下げるようにお願いしようと思ったが…

唯一の楽しみを奪うのも悪いなあと思うと、言い出せなかった。

もし、朝イチで大音量が聞こえなくなったら、それはそれで別の心配が…








姪っ子さんと甥っ子さんがいらっしゃるらしいが、お金は出してくれるけど会いには来ないそうだ。

だから、寂しくて仕方がない。

お茶をしにきて欲しいと、会う度に言われる。

身内が会いたがらないのは、ご本人に何か問題があるのでは…?と思ったりする。

つまり、あまり仲良くならない方が良いかも…となるのである。









こないだはベランダに出てる時に、ひょこっと覗き込まれて、何してるの?と聞かれた。

ビビった。

昔は、お隣さんと話す時に覗きこむ事が普通だったのかもしれないが、今の時代、覗きこむのはアウトだと思う。

何度か伝えてみたが、覚えることが出来なくてごめんねーとあっけらかんと言われる。

大らかな人なんだろうけど…

ちょっと迷惑。









しかし、なんと言っても、相手は94歳。

年配の方へ失礼な態度を取るのも難しく、かと言って相手にするのも…


結果、いろいろ諦めている。


大音量のテレビの音に我慢。

なるべくベランダに出ないようにする。

ベランダに出る時は、覗かれてないかビクビク。

書いてて、ちょっとゲンナリした。









そのおばあちゃん、会う度にありがとうを伝えてくれる。

「私の為に働いてくれて、ありがとう♪お仕事頑張って、いっぱい働いてくださいね。」


最初に聞いた時は、意味が解らなかった。




「私の年金は、あなたが働いてるからいただけるのよ」



ああ、そういうことか…







なんか、モヤモヤする…




確かに年金を払っているが…

私は、隣のおばあちゃんの為に払っていると思った事はない。

将来、自分がもらう為に払っているのだ。

でも、確かにお隣のおばあちゃんの言うことは間違いではない。


「どう致しまして」

と答えておいた。


しかし…


なんか、モヤモヤする…