囚われのサーカス | 人生はカオス・セオリー

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〈ストーリー〉

1961年、かつてベルリンで喝采を浴び、人々に愛されていたエンターテイナーのアダム・シュタインは砂漠の真ん中に立つサイズリン研究所に身を置いていた。

そこはナチスによるホロコーストを生き残った者達をケアする場所として建てられた精神施設だった。

アダムは明晰な頭脳と持ち前の話術で周りを惹きつけ、一見すると施設に不釣り合いのように見えたが、彼には退所できないある<秘密>があった…。






〈感想〉

『ジュラシック・パーク』シリーズのジェフ・ゴールドブラム、『ハンター』のウィレム・デフォーほか豪華キャスト共演で贈る戦争ドラマ。

ホロコースト生存者を集めた施設を舞台に、彼らが抱える心の闇と過去からの脱却を斬新な切り口で描く。

地味ながらもなかなか楽しめました。

基本的に主人公の現在のお話(画面がカラー)と、過去のお話(画面がモノクロ)が交互に展開されていき、主人公の過去が徐々に明かされていきます。

ホロコースト関係の作品はそれなりに観てきましたが、こういう風に展開されていくのは斬新で良かったですね。

ファンタジーではないんだけど、どこかファンタジーちっくな感じはしますが、やや重めな内容が好きです。

簡単に言うと、ユダヤ人の収容所に送られた主人公がそこで出会ったのは、以前にショーの時にお客さんとしてからかった事のあるクラインと言う男。

このクラインはナチス総司令官で、主人公に対して自分の犬(ペット)になれば主人公や家族の命は助けると言うので、仕方がなく犬になってしまうのです。

犬と言っても飯使いなんて甘いモノではなく、首輪をつけられたり、四つん這いでの行動を義務づけられたり、時にはクラインが飼っている本当の犬とご飯を食べる事も。

さらにはガス室送りにされるユダヤ人の横でバイオリンを陽気に弾くのを命令されたり…と、もうこれでもかッ!ってくらいトラウマものです。

そんな主人公ですが、現代で自らを犬だと思い込んだ少年と出会い、そこから変わっていくのです。

邦題は明らかに『裏切りのサーカス』を文字ってますが、主人公がサーカスの団長だったって事もあり『囚われのサーカス』は納得できる邦題だと思いました。