前回の残り「合灵柩棺舟出鬼海」の後半の改編箇所(少しだけ)を紹介してから、新章「了死结水师斗玄鬼」の紹介をしたいと思います。

 

p330「謝憐は彼(花城)の手を引こうとしたが、先ほど自分が棺舟で犯した論外にもほどがある失態を思い出し、思わず伸ばした手を引っ込める。結局、花城の袖を掴むので精一杯で、彼の表情を確認する勇気はなかった。ところが、裴茗が何度もこちらを振り返って興味深げに言う。『血雨探花、太子殿下。二人はずいぶん親密なようですね。貴様は鬼王のくせにのこのこと私たちについてきて、嫌疑を避けようとは思わないのか?』」

 

の部分が改変されていて、「裴茗が何度もこちらを振り返って興味深げに言う。『血雨探花、貴様は鬼王のくせにのこのこと私たちについてきて、嫌疑を避けようとは思わないのか?』」だけになっています。やはり、親密そうな描写が無くなっています。

 

そこから、新版のこの章の最後までずっと旧版の通りでした。

 

新版のこの章の最後は、「広々とした大殿の中央に誰かが端座している。その人は黒衣を身に纏っていて、顔は雪のように白いー。なんと骸骨だった!」で終わります。

 

今回は丸々この章の後半を紹介しようと思ったら、読んでみたら後半の改変が全然ないので、このまま次の章「了死结水师斗玄鬼」の紹介に入ります。

 

新しい章に入ってもほとんど改変はなく、p350で菩薺観に戻った時の戚容や谷子、郎蛍のあたりが少し改変されています。

新版では最初から郎蛍が登場しないので、「郎蛍は隅の方で大人しく丸くなり、服を何枚か被っている」の一文が無くなっています。

 

「戚容がかけている布団を持ち上げた謝憐は、そのまま彼の顔に押し付けたい衝動をぐっと堪えて二人の子どもに分け与えた」が、「戚容がかけている布団と谷子を持ち上げた謝憐は、そのまま彼の顔に押し付けたい衝動をぐっと堪えて、二人にきちんと掛け直した」に改変されています。

 

p354風師が武神になりたいと言った場面で、「謝憐は至って真面目に答えて善意の冷や水を浴びせる」が無くなっています。

 

p356「謝憐は頭の頭皮がじわじわと頭のてっぺんに向けて痺れていき、背筋に冷たいものが走るのを感じた。師青玄にとって明儀は非常に頼りになる存在だが、その彼が思いがけずこのような形で現れたことに驚いているのだろう」が無くなっています。

 

そこから改変が全くなく、p383のキスシーン(法力を吸い合うシーン)にやっと改変があります。

 

p383「花城が片手で彼の顎を軽く掴んで深く口付けている」が「花城は彼と額をくっつけていた」に改変されています。

 

また、「謝憐が目を覚したのを見て、花城は離れようとしたのか微かに唇を解放する」の箇所が「謝憐が目を覚したのを見て、花城は離れようとした」に変わっています。

 

「彼が離れてしまうのを不安に思った謝憐は、慌てて両手で彼の顔をしっかりと包み込み、体勢を変えて地面に押し倒した。ひんやりとした霊力が体内に流れ込んでくる感覚がして、喉を伝って腹の中に落ちていくと非常に暖かくなる」が無くなっています。

 

また、戚容が入ってくる場面の「重なり合った二つの人影が目に入った。観のすぐ外で情熱的な口付けを交わしているように見えるその人影は、片方が赤で片方が白。彼らの他に誰と誰だと言うのだ?」が改変されていて、シンプルに「観の外の人影を見て、甲高い声で叫んだ」に変わっています。

 

p384「謝憐はあれこれ話している余裕もなく、伸ばした手をしっかりと彼の首に回す。また下に引き寄せて十分な法力を吸い取ると・・・」がシンプルに「謝憐はあれこれ話している余裕もなく、十分な法力を吸い取ると・・・」と改変されています。

 

このあたりはBL要素が丁寧に除かれていますね。

 

p388殿下が裴茗達と幽冥水府に向かった場面の「謝憐は彼(裴茗)を見つめ、小さな声で告げた。『裴将軍はおそらくご存知ないでしょう。黒水玄鬼の姓は賀、名は玄です』その言葉を聞いて・・・」の7行が無くなっています。

 

殿下が菩薺観に戻った場面で、戚容が「クソ犬花城!犬にヤられた謝憐!お前ら二人とも、本気で恥ってもんを知らねぇな!あんな真夜中に、鬼でもびびって逝っちまうぞ!!この俺様の目を汚しやがって、とっとと弁償しやがれ!」と言った部分も改変されていて、

 

「クソ犬花城!クソ犬謝憐!あんな真夜中に、鬼でもびびって逝っちまうぞ!!この俺様の目を汚しやがって、とっとと弁償しやがれ!」とシンプルになっています。

 

p389「すぐさま謝憐は昨晩自分と花城が交互に相手を地面に押し倒しながら法力を吸い取っていた恐ろしい場面を思い出した」が改変されて、「すぐさま謝憐は昨晩花城の法力を強引に奪う蛮行を思い出した」になっています。

 

そのため、新版では自分の蛮行を思い出して、恥ずかしく気まずくなる、みたいな雰囲気になっています。

 

旧版では、花城は戚容の額を叩いて気絶させてから立ち上がりますが、新版では、謝憐が入ってくる音に気がついてすぐに足を下ろしたついでに戚容をひと蹴りして気絶させます。

 

「兄さん」の後、謝憐は頑張ってなんとか中に入り、谷子がいないので、きっと花城が村長の家に連れて行ったんだろうと考え、この気まずい雰囲気を和らげてくれる人もいなくなったと思います。少しして、花城に「待たせたね・・・お疲れ様」と言います。

 

新版の方が謝憐の気まずさが少し強調されていますね。

 

新版のこの章は旧版の「题离思心躁乱墨痕」の章に少し食い込んでいて、p392「これは推測だけど、ひょっとすると半月関の一件であの空殻道士を送り込んできたのと同じ奴かもしれない」が、新版では最初から空殻は登場しないので、「これは推測だけど、半月関におびき寄せた人と同じかもしれない」と変わっています。

 

その後、

そう言われてみると、紛然とした事件の中心へ彼を押しやろうとする見えざる手の存在を感じる。その人は一体何の目的があるのだろうか?

で、この章は終わります。旧版では「でも、いったい何の目的で?」は謝憐のセリフでしたが、新版ではセリフでは無くなっています。

 

いよいよ、日本語版小説が出ているところまでは、残すところあと一章です。

このあたりは、明儀の言葉の一つ一つが一行をミスリードするものなのがとてもわかりやすいです。復讐のあたりは全体的に改変が少なかったです。

 

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余談です。

 

前回、丁寧な食卓、丁寧な暮らしが素敵だと思い、早速豆皿・豆鉢をたくさんセリアで買ってきて、最近は小鉢に盛って料理を出していて、食卓が華やいでいます。(間違いなく、洗うのはめんどくさい。でも洗った後、食器棚に綺麗に並べる時は嬉しい気持ちになります)

 

そうなると、ちょっとした薬味や飾りになるもの(わけぎとか、イタリアンパセリとか、ラディッシュとか)も欲しくなって、お花などもついでに、色々ホームセンターに行ってお迎えしてきました。(新しいことを始めるってワクワクします)

 

ちょっとした薬味や飾りになるものって、あると全然違うし、わざわざ買うと高いし、使い切れないとすぐシナシナになるし、やっぱり使いたい時に使いたい分だけすぐに使えるのが理想です。

 

あとは、いつもより三割り増しでキッチン周りや家のあちらこちらを綺麗にするようになりました。一つ丁寧にすると、他も綺麗にしようと思える不思議。良い連鎖ですね。

 

好きなものに囲まれると、雑に扱わないから、一つ一つが丁寧になっていく、という話を聞いたことがあります。まさにそんな感じかもしれません。

 
 
さお

最近お迎えした可愛い水筒ラブラブ長い期間、色々比較して選んだのですが、絵柄が上品で色合いもシンプルなので、どんなシチュエーションにも合うし、バッグに入るし、量もちょうど良いのが気に入ってます。

 

温冷対応なので、秋冬は温かいお茶を入れようと思っています。底にゴムがついていて、置いたときにドンっとならないのがまた良いです。片手でパッと開け閉めできるのが、地味に嬉しいです。外で手が塞がってる時とか、パソコンで作業してる時とか。

 

もうベタ惚れすぎて、外出する時も、家でも使ってます。家で飲む時もそこらへんに置いててもこぼれないし、長い間飲まなくても保冷(保温)されてるし。二日目にして外で落としてしまって少し傷がついたの悲しすぎる....笑い泣き