今回は新しい章「怀鬼胎啼笑皆不当」の改変の紹介です。

前回の章は「火事だ!」で終わっています。

 

それに続く部分で、次の二つの文が削除されています。

 

p118上段の「先ほど彼らは極楽坊を出てから長いこと歩いたが、その間中あの胎霊はずっと耳障りな甲高い声でおいおい泣いていて、時々『お母さん』と呼んでいた。しかし今はその声が消えている!」

 

p118下段の「壺の口の封を見る限り、中に閉じ込められていたモノが自力で開けるのは不可能だ」

 

この二箇所は削除されていますが、飛ばして読んでも繋がりはおかしくならないので、大きな影響は無いと思います。

 

 

p119上段で、「・・・最後に立ち去った時は風師が強風を起こして屋根を吹き飛ばしたので、『扉』から出ずに済んだのだ。どれも比較的荒っぽい場面だったため、・・・」が、新版の改変に合わせて、「・・・最後に立ち去った時は郎千秋が壁を壊したので、荒っぽい場面だったことを、考えれば考えるほど謝憐は少し恥ずかしくなった」という感じで繋がります。

 

p121上段「胎霊を盗んだ奴は名乗り出ろ。俺の時間を無駄にするな」から8行ほど削除されて、直接「男は左、女は右に分かれろ」

と命令する描写になっています。

 

p121下段の「前回鬼市の街頭で謝憐につきまとい、解体人の豚と罵り合って、謝憐のことを『勃たない』と馬鹿にして、その上それを知らない鬼がいないほど触れ回った女の鬼、蘭菖だ」が改変されて、「前回鬼市の街頭で謝憐につきまとい、解体人の豚と罵り合い、謝憐を嘲笑した女の鬼、蘭菖だ」になっています。

 

胎霊を捕まえるくだりで、細かく改編されています。

p124上段「暴れないで!」の代わりに、少し後ろの「言うことを聞いて!お願い!良い子にして、良い子にしてってば!これ以上暴れないで!」が前に来ています。

 

そして、花城の「兄さん、下がって」の後、謝憐が「蘭菖殿、とにかくそれを出してください」と語りかけ、蘭菖の「嫌!嫌よ、嫌!この子は絶対にお腹の中でちゃんと育てるから・・・」の文に繋がります。

 

ただ、最後の「息子を連れていかないで!天界の奴らになんて渡さないで!」は無くなっています。

 

蘭菖の懇願の後、謝憐の説得「蘭菖殿!お腹の子はあなたより遥かに強いんです!・・・」が続きます。

 

謝憐の説得の直後、蘭菖が甲高い声を叫び声を上げる場面(p124下段)に繋がります。鬼達が寄ってきて押さえつけようとしても歯がたたない時に、「もし蘭菖が自らの腹の中に隠したモノを出さなければ・・・p125上段」の説明が入り、謝憐が「失礼します!」(p125下段)と言って剣に手をかけるところに繋がります。

 

このあたりは会話や説明の色々順番が入れ替えられていますが、大局にはあまり大きな影響はないと思います。

 

 

p126の腰帯のあたりで、「加えて謝憐には確信があった。刺繍の模様がひどく摩耗しているが、これは神官だけが身につけられる『金腰帯』に違いない」が削除され、「しかも、上天庭に属する神官のものではないか!」だけになっています。

 

p126下段で、謝憐が蘭菖に「お嬢さん、まさかあなたの子供は・・・」と言った時に、蘭菖がすぐさま「違う!」と否定する場面がありましたが、少し改変されて、「お嬢さん、まさかあなたの子供は・・・・」と言いかけてすぐに思い直して「この七、八百年間、その金腰帯で持ち堪えてきたのですか?」と尋ね直す描写に変わっています。

 

p127上段の「神官が下界の女と密通し、・・・」からの10行程度が削除され、謝憐が振り返って花城に話しかける場面に直接飛びます。

 

p127下段「蘭菖は歯を食いしばり・・・」の後、謝憐を見ながら「他に誰がいるって言うの?」と言う場面がありましたが、ここも改変され、「蘭菖は歯を食いしばって何も言わず、謝憐はある人の嫌疑が一番大きいと思って『お嬢さん、一緒に上天庭に行きましょう』と言いました」という描写になっています。

 

p128上段「いずれにしても、この胎霊はあなたの息子であり、彼の息子でもあるんです。父親以外に、誰がこの件の責任を取るんですか?」が削除されています。

 

p128下段の、謝憐が花城に「私はいったん上天庭に戻って、この件を早く報告しないと」、「謝憐は呆気に取られたが、彼女はそのまま言葉を続けた」、p129「それだけ言うとすぐに退出して、一刻も無駄にせず、蘭菖を神武殿に連れて行った」が削除されています。

 

p129でそう経たないうちに仙京の神官が次々と駆けつけてくる描写がありましたが、このあたりが改変されて、風水の二師がまず先に着いたことなっています。これに続く部分は、加筆されている部分なので、短いですが、物語風でお楽しみください。

 

師青玄は謝憐を見つけるや否や、目が輝き、扇を揺らしながら言います。

「あら!太子殿下、その身なり良いじゃない!太子殿下はさすが太子殿下だなぁ。今までこんなに色気がある姿を見たことがないや。今日はどこから帰ってきたの?」

 

もしこの時謝憐がお茶を飲もうとしていたなら、きっと全て吹き出していました。

眉をピクピクさせながら、「色、色...?」と、その言葉でさえも恥ずかしくて復唱する勇気がありません。頭を下げて全身を確認しますが、上から下までみっちり包まれていて、何もおかしいところはないはずです。

 

今にも顔が赤くなりそうなのを見て、師青玄は、はははと笑います。「冗談だよ、冗談!」観主、気にしないで」

謝憐はちんぷんかんぷんと言う様子で聞き返します。「観主?何の観主?」菩薺観?

 

師青玄は、はははと笑いながら何も言いません。謝憐はもう一度考えると、おそらく千灯観のことだと気が付きます。

謝憐の心をくすぐり、師青玄は意気揚々と周囲に一通り挨拶を済ませると、「あれ?女鬼のお姉さんを連れてきたの?もしかしてお腹の中に・・・」と言いながら、触ろうとしたのか手を伸ばしました。

 

師無渡が扇を閉じて、「青玄!」と呼ぶと、師青玄は慌てて手を引っ込めて言い訳します。

 

ここに繋がります。

しばらくの間、謝憐が紅い衣を着ていたことを完全に忘れていたのですが、風師にきちんと弄られて大満足です。一回目読んだ時には気が付かず、今回読み直して、ここの加筆に気が付きました。

 

殿下がお美しくて、紅い衣を着るとお色気ムンムンに見えたのか、それとも、誰の目から見ても衣自体が少しお色気ムンムン(殿下は鈍感で気が付かない)ものだったのか、少し気になります。

 

どちらにしても花城が見惚れていた場面と合わせて、こちらの加筆も甘いですね。

 

 

ちなみに、「色気」と訳したのですが、原文は「风骚」をいう言葉を使っていて、基本的には色っぽいなどの意味ですが、どちらかというと褒め言葉ではなく、「ふしだら」や「軽はずみ、軽薄」というニュアンスが入っているマイナスイメージの言葉です。

 

なので、師青玄の「こんなにお色気ある姿を見たことないよ」の部分は、ふしだらな女性が「媚びる」とか「色気を振りまく」とか、そんなニュアンスがちょっぴり入っている感じがイメージとして近いと思います。

(あくまで個人的な解釈なので、正確な説明ではないかもしれませんが...)

 

褒め言葉の「色気」ではないので、謝憐も復唱するのが憚られるほど恥ずかしくなったのだと思います。

 

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余談です。

 

いつも新しい小説を読もうとする時(ドラマでもそうなのですが)、最初の、登場人物の大体の関係性や、物語の方向性が理解できるまでの冒頭の部分がとても苦手で、出だしがなかなか進みません。

 

そこを過ぎると、逆に寝食を忘れて没頭してしまうのですが、いつも出だしだけがなかなか...。

 

事前に面白い作品だと聞いていても、大体の世界観や方向性が掴めるまでの、最初の20分ぐらいが苦手すぎて困ります。

 

まぁ、苦手でも何でも、そこは読むしかないのですが...

 

同じような方いらっしゃいませんか?いつも自分だけなのかな?と思いながら、悶々としてます。

 

 

そして、だんだん夜は涼しくなり、少し秋の気配を感じてきました。

 

秋は多分一番好きな季節です。

 

読書にも良いし、芋・栗・南瓜は大好物です。

 

南瓜は決まって、皮ごと玉ねぎとコンソメで煮て、潰して、牛乳で伸ばして濃いめのスープにします。

 

定番の南瓜の煮物よりも家族に好評です。濃さはそれぞれ後から自分好みに牛乳で調整します。

 

 

焼芋があれば、潰して、牛乳で伸ばして、繊維を濾して、少し生クリームを入れてスープにします。

 

砂糖を入れなくても十分甘くて、トックを浮かべたら最高です。(温めても冷やしても美味)

 

一人で鍋ごと飲めます。

 

家族も大好きで、去年は本当に週二ペースで作ってました。

 

(何回かこっそり作って鍋ごと独り占めしたのは内緒です🤫)

 

早く秋が来てほしいですおやすみラブラブ